ブダペストの温泉比較|セーチェニ・ルダシュ・ルカーチの選び方(2026年版)
この記事の目次
- ひと目でわかる比較
- 2026年の状況:3つの温泉が街全体を支えている
- 2026年の計画で変わること
- 早見比較:セーチェニ温泉・ルダシュ温泉・ルカーチ温泉
- セーチェニ温泉:街いちばんの華やかな温泉
- ルダシュ温泉:オスマン朝から生き残った浴場
- ルカーチ温泉:地元の人の隠れ家
- 壮麗な建築とオスマン朝の遺産
- セーチェニ温泉:市民公園に建つネオバロックの宮殿
- ルダシュ温泉:450年使われ続けるオスマン朝の設備
- ルカーチ温泉:静かな品格のあるオーストリア=ハンガリー時代の実用建築
- プール、屋上、水まわりの設備
- セーチェニ温泉:18のプールと冬の湯気に包まれる屋外体験
- ルダシュ温泉の屋上プール:それだけで行く価値がある360度のドナウ川の眺め
- ルダシュ温泉のオスマン朝の浴場:16世紀から続く浴室
- ルカーチ温泉:療養向けの屋外プールと飲泉所の中庭
- 夜の温泉:ルダシュ温泉とセーチェニ温泉の夜間チケット
- 温泉水のちがい:それぞれの温泉は何に効くのか
- セーチェニ温泉のお湯:カルシウム炭酸水素塩泉と関節への効果
- ルダシュ温泉のお湯:硫黄泉と呼吸器療養の伝統
- ルカーチ温泉のお湯:炭酸水素塩が豊富でリウマチ療養向き
- 温泉水を飲む:3つの温泉の飲泉所(ivócsarnok)
- チケットの種類と料金、2026年の予約方法
- セーチェニ温泉の料金:平日と週末、個室更衣室とロッカー
- ルダシュ温泉の料金:全エリア共通の1日券と、時間限定の1エリア券
- ルカーチ温泉の料金:2026年にいちばん安い大型温泉
- オンライン予約と当日購入:料金の差と行列の実態
- ブダペストカードの割引:どの温泉で、いくら得か、元は取れるか
- いつ行くか:温泉ごとのおすすめの曜日、時間、季節
- セーチェニ温泉:火曜の朝が狙い目、週末は混雑を覚悟
- ルダシュ温泉:男女別になる曜日と時間
- ルカーチ温泉:水曜の午後がいちばん空いている理由
- 季節で選ぶ:夏の屋上か、冬の湯気か
- マナー、服装、初めての人への実用アドバイス
- 更衣室の使い方:ロッカー、個室更衣室、リストバンド
- ルダシュ温泉の「水着は任意」の本当の意味
- 温泉ごとの写真撮影のルール
- 子連れでの利用:子どもの入場と年齢制限
- トラブルのとき:防犯と貴重品の扱い
- サウナ、ウェルネスのオプション、館内の食事
- サウナの比較:ドライ、スチーム、温度
- マッサージ:メニュー、料金、予約は必要か
- 館内での飲食
- バリアフリー:体の不自由な人に向いている温泉
- 行き方:場所、交通、駐車場
- セーチェニ温泉:地下鉄と徒歩で市民公園へ
- ルダシュ温泉:川沿いの立地とトラム
- ルカーチ温泉:ブダ北部の温泉への行き方
- 1日に2つの温泉を回れますか
- 結論:あなたに合う温泉はどれか
- 初めてなら:セーチェニ温泉
- 2回目の人や建築好きなら:ルダシュ温泉
- 節約派や地元の雰囲気を味わいたいなら:ルカーチ温泉
- ゲッレールト温泉に行きたかった人へ:いちばんの代わり
- ひとり旅、カップル、グループ:同行者に合う温泉
- 基本情報:営業中の3つの温泉(2026年)
ゲッレールト温泉(Gellért gyógyfürdő)は2028年まで改修のため休館中で、キラーイ温泉も再開の予定が立っていません。いま行く価値があるのは、セーチェニ温泉(Széchenyi gyógyfürdő)、ルダシュ温泉(Rudas gyógyfürdő)、ルカーチ温泉(Lukács gyógyfürdő)の3つです。
選び方は過ごし方次第です。初めてならセーチェニ温泉ですが、週末は混み合います。建築好きなら、オスマン朝のドームとドナウ川を望む屋上プールがあるルダシュ温泉。ルカーチ温泉は地元の人が通う温泉で、3つの中でいちばん手頃です。最低でも2〜3時間はみておき、週末のルダシュ温泉は事前に予約してください。予約の前に、休館で何が変わるのかを確認しておきましょう。
日本の温泉とは勝手が違う点を先に押さえておきましょう。水着の着用が基本で(例外はルダシュ温泉の男女別の時間帯だけです)、男女共用のプールが中心、お湯は36〜38℃前後です。タオルのレンタルはないので持参してください。
※円換算は1フォリント=約0.48円(2026年10月30日のECB参考レート)で計算した目安です。レートは変動します。
ひと目でわかる比較
| 向いている人 | 初めての人 → セーチェニ温泉 | 建築好き → ルダシュ温泉 | 地元気分を味わいたい人と節約派 → ルカーチ温泉 |
| 所要時間 | 最低2〜3時間。スパとサウナまでひと通り回るなら4〜5時間 |
| 料金 | セーチェニ温泉:平日13,200フォリント | ルダシュ温泉:全エリア共通、月〜木曜12,000フォリント/金〜日曜15,000フォリント | ルカーチ温泉:月〜木曜7,000フォリント/金〜日曜8,000フォリント |
| 営業時間 | セーチェニ温泉:月〜木曜7:00〜20:00、金曜7:00〜22:00、土・日曜8:00〜20:00 | ルダシュ温泉:エリアによって異なる | ルカーチ温泉:毎日7:00〜19:00、火曜のみ7:00〜22:00 |
| アクセス | セーチェニ温泉:地下鉄M1線 | ルダシュ温泉:トラム19番・41番 | ルカーチ温泉:トラム17番・19番 |
| おすすめしない人 | 混雑が苦手な人(週末のセーチェニ温泉は避ける)、ゲッレールト温泉が実は開いていると期待している人(開いていません) |
2026年の状況:3つの温泉が街全体を支えている
2026年のブダペストの温泉(英語)事情は、ガイドブックで読んだ姿とは少し違います。街を代表する2つの温泉(英語)、ゲッレールト温泉とキラーイ温泉(Király gyógyfürdő)が休館中です。ゲッレールト温泉は改修で2028年まで、キラーイ温泉は無期限です。そのため、好奇心いっぱいの旅行者も、健康のために通う地元の人も、湯船でチェスを指す年金生活者も、残る3つの温泉に集まっています。予約の前に、どこが、いつまで、なぜ閉まっているのか、それが計画にどう響くのかを知っておくと役に立ちます。
ゲッレールト温泉の休館は大きな出来事です。写真映えするだけの温泉ではありませんでした。筋肉や骨格の不調に向いたミネラル成分の湯、波のプール、100年前のタイルが残る個室浴室を備えた療養施設で、壮麗さと少し色あせた風情が同居する独特の雰囲気がありました。そのすべてが、いまは足場の向こうです。温泉は閉まっているので、入場券を売りつけられても買わないでください。
ゲッレールト温泉とキラーイ温泉が同時に閉まったことで、2026年の温泉選びは窮屈になった一方、わかりやすくもなりました。選択肢が2つ減ったぶん迷いは減りますが、残るセーチェニ温泉、ルダシュ温泉、ルカーチ温泉の3つが、そのぶん多くの温泉客を引き受けています。特にルダシュ温泉は、いまやオスマン朝の浴場を体験できる唯一の大型温泉になり、週末の混雑が増しています。
2026年の計画で変わること
結論ははっきりしています。事前に予約すること、特に週末のルダシュ温泉は必須です。そして、いまのブダペストの温泉で何ができるかを見直しておきましょう。入浴文化そのものは衰えていません(源泉はいまも38〜76℃のミネラル豊富な湯を出し続けています)が、選択肢は減り、場所の取り合いは現実に起きています。2026年の旅では、いちばん有名な温泉ではなく、いま開いている温泉から計画を立てるのが近道です。
早見比較:セーチェニ温泉・ルダシュ温泉・ルカーチ温泉
3つの温泉は性格がまったく違います。セーチェニ温泉は大きく華やかで、黄色い宮殿のような劇場型。ルダシュ温泉は小さく薄暗く、ドームの下に歴史が詰まった雰囲気型。ルカーチ温泉は派手さがなく、料金も手ごろで、客の多くが本当にブダペストの人という実直型です。違いを知っておけば、地元の人と静かに浸かりたかったのにセーチェニ温泉の料金を払ってしまう、ということがなくなります。
セーチェニ温泉:街いちばんの華やかな温泉
セーチェニ温泉はヨーロッパ最大の療養温泉施設です。プールは18、面積は6,220平方メートル、1913年開業のネオバロック様式の建物で、探していなくてもSNSで一度は見かけたことがあるはずです。38℃の湯気の立つ湯に浸かりながら、ハンガリーの年配の男性たちがチェスを指す光景で知られ、多くの人が写真に収めます。このチェスは演出ではありません。冷戦時代から続いている習慣です。
入場料は平日がロッカー付きで13,200フォリント(約6,300円)、週末は14,800フォリント(約7,100円)です。個室更衣室(キャビン)は追加料金がかかります。営業時間は月〜木曜7:00〜20:00、金曜7:00〜22:00、土・日曜8:00〜20:00で、早起きすれば昼の混雑より先に入れます。規模が大きいので、混んでいてもたいていどこかのプールには空きがあります。小さな温泉のような息苦しさを感じにくいのが、いちばんの違いです。

セーチェニ温泉
Állatkerti krt. 9-11, Budapest
営業時間:月〜木曜7:00〜20:00、金曜7:00〜22:00、土・日曜8:00〜20:00
料金:平日13,200フォリント(約6,300円)
ルダシュ温泉:オスマン朝から生き残った浴場
ルダシュ温泉は1560年代に建てられた浴場で、観光業という考え方が生まれるよりも何世紀も前からある浴場です。中心にあるのは16世紀のオスマン朝のドームの浴室で、星形にくり抜かれた天窓から差し込む光が水面に揺れる模様を描きます。この空間は、セーチェニ温泉やルカーチ温泉をどれだけ修復してもまねできません。500年近く実際に使われてきた時間そのものが生む雰囲気だからです。その上、文字どおり屋根の上には、ドナウ川越しにペスト側の街並みを一望できるモダンな屋上パノラマプールがあります。
ルダシュ温泉の建設年(ブダのパシャ、ソコルル・ムスタファが1566〜1572年に再建):Time Out Budapest、2026年11月1日に確認。
料金は全エリア共通の1日券が基本で、月〜木曜12,000フォリント(約5,800円)、金〜日曜15,000フォリント(約7,200円)、祝日とハイシーズンは16,000フォリント(約7,700円)です。1つのエリアだけの安い券(8,000フォリント、約3,800円)もありますが、販売は平日の限られた時間帯だけです。営業時間は、平日の男女別のオスマン朝の浴場に入るのか、週末の男女共用の時間帯に入るのかで大きく変わります。この違いは体験の中身にも、何を着るべきかにも大きく関わります。詳しくはマナーの章で説明します。

ルダシュ温泉
Döbrentei tér 9, Budapest
営業時間:毎日営業、時間はエリアによって異なります(最新のスケジュールを確認してください)
料金:全エリア共通、月〜木曜12,000フォリント/金〜日曜15,000フォリント(約5,800〜7,200円)
ルカーチ温泉:地元の人の隠れ家
ルカーチ温泉は1884年からブダ側の川岸で営業していて、昔から目立たない存在であることを選んできました。少なくとも、それがこの温泉の気質です。リウマチなどの症状を抱えるブダペスト市民が通い、大学教授が朝のひと泳ぎをし、誰も写真に撮られようとしていない場所です。ゲッレールト温泉の休館後は、壮麗な建築より本格的な療養を重んじていた常連客のかなりの部分を受け入れ、その変化を物静かに受け止めています。
料金は月〜木曜7,000フォリント(約3,400円)、金〜日曜と祝日8,000フォリント(約3,800円)で、3大温泉のなかでいちばん安いのに、安っぽさはありません。営業時間は毎日7:00〜19:00、火曜のみ22:00までで、火曜以外はセーチェニ温泉より早く閉まります。夜に行くつもりなら注意してください。療養向けの屋外プール、飲泉所のある中庭、平日の空き具合を考えると、いま営業している3つの温泉のなかで、純粋に療養を目的とするならいちばん満足度の高い選択です。

ルカーチ温泉
Leó út 25-29, Budapest
営業時間:毎日7:00〜19:00、火曜のみ7:00〜22:00
料金:月〜木曜7,000フォリント/金〜日曜8,000フォリント(約3,400〜3,800円)
壮麗な建築とオスマン朝の遺産
ブダペストの温泉では、建物そのものが主役になることも少なくありません。実用一点張りのシャワー施設として建てられたものではなく、「文明的な入浴とはこうあるべきだ」という帝国ごとの理想を形にした記念碑です。星形の天窓から光を落とすオスマン朝の簡素な美しさ、金色のタイルとヴォールト天井で飾り立てたオーストリア=ハンガリー時代の華やかさ、そして温泉施設は官庁よりも立派であるべきだという中欧ならではの自信が見て取れます。
セーチェニ温泉:市民公園に建つネオバロックの宮殿
セーチェニ温泉は建築家ツィグレル・ジェーゾー(Czigler Győző)の設計で、オーストリア=ハンガリー帝国が自信に満ちていた1913年にネオバロック様式で完成しました。外観は淡い黄色の大きな宮殿で、市民公園の端にヴァイダフニャド城(Vajdahunyad vára)と並んで建ち、あたり一帯がおとぎ話のような雰囲気になっています。中に入ると、温浴室、モザイクタイルの内装、彫刻の装飾、自分が少し偉くなったように感じるほど高い天井が重なり合います。
3つの屋外プール(温泉プールは通年38℃)は、ネオバロック様式のファサードに囲まれた中庭にあり、季節を問わず写真映えします。冬には冷たい空気のなかで湯気が立ちのぼって水面を覆い、劇的な光景になります。設計者が狙ったものではないでしょうが、きっと気に入ったはずの眺めです。
セーチェニ温泉
Állatkerti krt. 9-11, Budapest
営業時間:月〜木曜7:00〜20:00、金曜7:00〜22:00、土・日曜8:00〜20:00
料金:平日13,200フォリント(約6,300円)
ルダシュ温泉:450年使われ続けるオスマン朝の設備
最初のルダシュ温泉は1560年代、ブダの総督ソコルル・ムスタファ・パシャ(Sokollu Mustafa Pasha)の時代に建てられました。ブダでトルコ式の都市設備の整備を進めたオスマン帝国の軍司令官です。中央のドーム(直径約10メートル、星形と円形の穴が開いています)は、オスマン朝が何世紀もかけて磨いたハマム(トルコ式浴場)の設計を直接受け継いでいます。驚くべきは、16世紀から途切れず使われ、いまも設計どおりに機能していることです。ドームの穴から自然光が筋になって差し込み、足元から温泉が湧き、円形の浴室の音響が水中のような独特の静けさをつくります。言葉にしにくいのに、一度味わうとまた来たくなる静けさです。
20世紀後半から21世紀初めに加わった屋上プールや新しいウェルネス設備は、元の建物に無理に継ぎ足すのではなく、はっきり区別して建てられています。ヨーロッパのほかの歴史的温泉の改修と比べても、筋のよい考え方です。空間としても体験としても、主役はいまもオスマン朝の中心部です。古い部屋がおまけについた現代のスパではありません。現代のスパが併設された、16世紀のハマムです。
ルダシュ温泉
Döbrentei tér 9, Budapest
営業時間:エリアによって異なります
料金:全エリア共通、月〜木曜12,000フォリント/金〜日曜15,000フォリント(約5,800〜7,200円)
ルカーチ温泉:静かな品格のあるオーストリア=ハンガリー時代の実用建築
ルカーチ温泉には16世紀のドームも、観光客が思わず足を止めるネオバロックのファサードもありません。あるのは19世紀後半の中欧らしい、公共施設としての堅実さです。頑丈で、きちんとしていて、人が実際に使う大きさに作られ、装飾は信頼感を伝える程度に控えめで、尊大にはなりません。本館は1884年の建築で、屋外プールは20世紀初めにかけて整備されました。
屋外の中庭には飲泉所の泉があり、壁には回復した元患者たちが贈った感謝の銘板がびっしり並び、小さな庭がまわりのブダの街並みとの間を仕切っています。目を少し細めると、ウェス・アンダーソンの映画に出てくるサナトリウムのようです。屋内の療養プールの建物は元の構造を残していて、天井が高く窓が大きいので、圧迫感がありません。人を感心させるための温泉ではなく、役に立つための温泉です。この2つは別物で、ルカーチ温泉は昔からその違いをわきまえています。
ルカーチ温泉
Leó út 25-29, Budapest
営業時間:毎日7:00〜19:00、火曜のみ7:00〜22:00
料金:月〜木曜7,000フォリント/金〜日曜8,000フォリント(約3,400〜3,800円)
プール、屋上、水まわりの設備
プールの数と種類は3つの温泉で大きく違い、数だけでは体験の良し悪しは決まりません。セーチェニ温泉の18のプールには、往復して泳ぐプールから療養用の浴槽、有名な屋外プールまでそろっています。ルダシュ温泉はプールの数こそ少ないものの、個性が凝縮されています。オスマン朝の浴室だけで入場料の価値があり、屋上プールもそれ単独で評判を得ています。ルカーチ温泉はその中間で、療養目的がはっきりした手ごろな数のプールと、春と秋にはほかの2つより気持ちよく過ごせる屋外スペースがあります。
セーチェニ温泉:18のプールと冬の湯気に包まれる屋外体験
セーチェニ温泉の18のプールは屋内と屋外に分かれていて、ひんやりした遊泳プールから、外の気温にかかわらず通年38℃に保たれた屋外の浴槽まで温度もさまざまです。屋内には療養用の温泉プール、本格的に往復して泳げる遊泳プール(温泉施設では珍しい存在です)、ミネラル濃度の違う小さな療養プールが並びます。規模が大きいので混雑が分散し、屋外プールが人でいっぱいでも、屋内にはたいてい空きがあります。

アーケードの下から見た中庭。更衣室を出て最初に目に入る景色です。写真:Széchenyi Gyógyfürdő
冬のセーチェニ温泉の屋外体験は、ブダペストの冬の旅行記事に必ずといっていいほど登場します。それだけの理由があります。氷点下の空気のなか38℃のお湯に浸かると、まわりに立ちこめる湯気、顔に当たる冷たい空気、信じられないほど心地よい温泉のお湯が一度に押し寄せます。実際にその場にいないとわからない感覚です。チェスを指す人たちは週末の午後の屋外プールによく現れます。盤は本物の防水仕様で、何十年も前から使われています。
セーチェニ温泉
Állatkerti krt. 9-11, Budapest
営業時間:屋外プールは通年営業
料金:平日13,200フォリント(約6,300円)
ルダシュ温泉の屋上プール:それだけで行く価値がある360度のドナウ川の眺め
ルダシュ温泉の屋上プールは2000年代初めに加わったもので、下のオスマン朝のエリアとは建築としても体験としても別物です。新館の屋上にあり、ドナウ川の向こうにペストの街並み、国会議事堂、セーチェニ鎖橋、ブダ城地区までさえぎるものなく見渡せます。プールはセーチェニ温泉のどのプールよりも小さく、ゆっくり浸かるのにちょうどいい温度に保たれ、昼と夜で入れる時間帯が変わる入れ替え制です。
屋上プールは通常の全エリア共通1日券(月〜木曜12,000フォリント/金〜日曜15,000フォリント、約5,800〜7,200円)で入れます。安いウェルネス・スパのみの券(8,000フォリント、約3,800円)でも入れますが、販売は月・木・金曜の10:45までに限られます。金曜と土曜の夜は専用の夜間券(15,000フォリント、約7,200円)で遅い時間に入れます。屋上の夜の時間帯は特に人気で、夏は温かいお湯、街の明かり、眼下のドナウ川の水音がそろいます。下の浴場を造ったオスマン朝の建築家には想像もつかなかった光景ですが、きっと気に入ったことでしょう。

ルダシュ温泉の屋上プール
Döbrentei tér 9, Budapest
営業時間:入れ替え制。最新のスケジュールを確認してください。夜の時間帯が人気です
料金:全エリア共通1日券に含まれます。12,000〜15,000フォリント(約5,800〜7,200円)
ルダシュ温泉のオスマン朝の浴場:16世紀から続く浴室
オスマン朝時代の浴室の中央にある八角形の浴槽こそ、温泉好きが見た目の派手なほかの温泉ではなくルダシュ温泉を選ぶいちばんの理由です。湯温は約36℃で、頭上のドームが星形の穴から自然光を落とし、その模様は1日のうちに移ろいます。まわりの小さな浴槽は少しずつ温度が違い、熱さを変えながら移動できます。石造りの浴室は音を吸い込んで散らすので、何人も入っていても不思議なほど静かです。

オスマン朝のドームの下の八角形の浴槽。誰もいない珍しい瞬間です。写真:Rudas Gyógyfürdő
オスマン朝のエリアが終日男女別になるのは、火曜(女性)と水曜(男性)だけです。月・木・金曜は10:45まで男性専用で、11:00から男女共用になります。週末は終日男女共用で、水着が必須です。平日の男女別の時間帯には、水着ではなくエプロンやタオルを巻いて入る伝統的な入り方が残っています。歴史に忠実なうえ、16世紀の石の浴槽には現代の化繊の水着よりずっと快適です。
ルダシュ温泉のオスマン朝エリア
Döbrentei tér 9, Budapest
営業時間:火曜(女性)と水曜(男性)は終日男女別。月・木・金曜は10:45まで男性専用、その後は男女共用。週末は男女共用
料金:トルコ式浴場のみの券は8,000フォリント(約3,800円)で月・木・金曜の10:45まで。それ以外は全エリア共通券12,000〜15,000フォリント
ルカーチ温泉:療養向けの屋外プールと飲泉所の中庭
ルカーチ温泉には通年営業の屋外温泉プールがいくつかあり、温度はプールによって32〜38℃です。雰囲気の面では屋外エリアがいちばんの魅力です。中央に飲泉所の泉がある囲まれた中庭で、まわりの壁には元患者たちの銘板が並んでいます。リウマチがよくなったことを石に刻んで残したいと思うほど感謝した人たちがいたのでしょう。ブダペストの温泉めぐりのなかでも、ひときわ風変わりで心に残る光景です。

上から見た屋外温泉プール。流れるプールの通路と、縁に沿ったジェットベンチが見えます。写真:Lukács Gyógyfürdő
屋内のプールと療養浴室が、セーチェニ温泉のような大がかりな演出もルダシュ温泉のようなドームのドラマもなく、ひと回りの流れを締めくくります。ルカーチ温泉は繰り返し通う人のための温泉で、館内の配置もそれを反映しています。わかりやすく、無駄がなく、観光の見せ場ではなく療養の使い勝手を中心に組み立てられています。屋内の遊泳プールにはきちんとしたコースがあり、ルダシュ温泉にはない設備で、本気で泳ぎたい人にはセーチェニ温泉のプールより使いやすいはずです。
ルカーチ温泉
Leó út 25-29, Budapest
営業時間:毎日7:00〜19:00、火曜のみ7:00〜22:00
料金:月〜木曜7,000フォリント/金〜日曜8,000フォリント(約3,400〜3,800円)
夜の温泉:ルダシュ温泉とセーチェニ温泉の夜間チケット
ルダシュ温泉とセーチェニ温泉は、昼とはひと味違う夜の入浴ができます。セーチェニ温泉は金曜に22:00まで開いていて、19:00以降は雰囲気が変わります。家族連れが減って仕事帰りにひと息つく地元の人が増え、屋外プールが夜空の下で照らされ、背後にはライトアップされたネオバロックのファサードが浮かびます。ルダシュ温泉は屋上の夜の時間帯が目当てで、暗くなったドナウ川と対岸の街の明かりを眺められます。どちらも昼とはまったく別の体験なので、夜に行く日を決めて計画する価値があります。
温泉水のちがい:それぞれの温泉は何に効くのか
ブダペストの源泉は何世紀もかかる地質の働きでミネラルを含み、21℃から76℃で湧き出します。成分は場所ごとにはっきり違い、それはパンフレットの宣伝文句ではなく医学的な意味での違いです。ハンガリーの医師はオーストリア=ハンガリー時代から、症状に合わせて特定の温泉を処方してきました。地質学の知識がなくても成分を知っておくと、ルカーチ温泉にリウマチの患者さんが多く、ルダシュ温泉が何世紀も前から呼吸器によいとされてきた理由がわかります。
セーチェニ温泉のお湯:カルシウム炭酸水素塩泉と関節への効果
セーチェニ温泉は2本の深い源泉(74℃のセーチェニ源泉と77℃のアールパード源泉)から湯を引き、混ぜて入浴に適した温度まで冷ましています。泉質はカルシウム・マグネシウム・炭酸水素塩・硫酸塩泉で、化学的にいえば関節や筋肉、骨格のケアに特に向いた湯です。ハンガリーの温泉医学(実在する専門分野で、ブダペストには温泉医が何人もいます)は、セーチェニ温泉の湯を変形性の関節疾患、慢性の腰痛、術後のリハビリに適した治療と認めています。
実際に入ると、お湯はやわらかく少しなめらかで、たいていの人は数分で水道水との違いに気づきます。ミネラルは感じ取れる程度に濃いものの強すぎず、ブダペストの源泉にときどきある硫黄のにおいもありません。ミネラル温泉に不安がある人にとって、セーチェニ温泉はいちばん入りやすい泉質のひとつです。
セーチェニ温泉
Állatkerti krt. 9-11, Budapest
飲泉所:館内にあり
料金:入場料13,200フォリント(約6,300円)
ルダシュ温泉のお湯:硫黄泉と呼吸器療養の伝統
ルダシュ温泉は5つの源泉から湯を引いていて、なかでも重要なハンガーリア源泉(Hungária-forrás)は43℃で湧き、はっきりと硫黄を含みます。ルダシュ温泉独特のにおいはここから来ています。不快というほどではありませんが、セーチェニ温泉の湯にはない、いかにもミネラルらしいにおいです。硫黄分は昔から呼吸器によいとされ、ルダシュ温泉は19世紀から20世紀初めにかけて肺の病気の療養地として知られていました。
成分にはカルシウム、マグネシウム、フッ素も含まれ、濃度は5つの源泉で異なります。オスマン朝の浴室は複数の源泉の湯を混ぜているため、ルカーチ温泉の屋外プールやセーチェニ温泉の大きなプールより、少し温かくミネラルも濃い湯になっています。レジャーとしての温泉ではなく、ブダペストの療養温泉の伝統そのものを求めるなら、本物らしさでいちばん説得力があるのはルダシュ温泉です。
ルダシュ温泉
Döbrentei tér 9, Budapest
飲泉所:館内に飲泉用の泉あり
料金:全エリア共通12,000〜15,000フォリント(約5,800〜7,200円)
ルカーチ温泉のお湯:炭酸水素塩が豊富でリウマチ療養向き
ルカーチ温泉の源泉は炭酸水素塩を多く含むカルシウム・マグネシウム・硫酸塩泉で、湧出時の温度は22℃から49℃です。19世紀から正式な医療施設としての位置づけを保っていて、オーストリア=ハンガリー時代の規則で療養施設に指定され、いまもハンガリーのリウマチ診療と連携しています。宣伝文句ではありません。特定のリウマチ疾患の治療の一環として、ルカーチ温泉に通うよう処方するハンガリーの医師が実際にいます。
ルカーチ温泉の湯は炭酸水素塩の濃度がセーチェニ温泉よりかなり高く、温泉医はこれを炎症を抑える働きと結びつけています。そのため、関節のために週3回通う常連客は、一般の観光客よりプールに長く浸かる傾向があり、館内の配置や料金設定もそれに合わせています。ルカーチ温泉では、長く浸かる客は単に許されているのではなく、施設全体がその使い方を前提に作られています。
ルカーチ温泉
Leó út 25-29, Budapest
飲泉所:屋外の中庭に飲泉用の泉あり
料金:月〜木曜7,000フォリント/金〜日曜8,000フォリント(約3,400〜3,800円)
温泉水を飲む:3つの温泉の飲泉所(ivócsarnok)
3つの温泉にはどれも飲泉所(ivócsarnok)があり、温泉水をそのまま飲めます。セーチェニ温泉は館内に蛇口の並ぶホールがあり、開いているのは平日だけです(月・金曜10:00〜19:00、火〜木曜9:00〜17:00)。ルダシュ温泉は飲泉用の泉で、火・木曜の10:00〜14:00に出ています。ルカーチ温泉では中庭の泉が主役で、先に触れた感謝の銘板に囲まれ、水・金曜の11:00〜18:00に出ています。温泉水を飲むのが目的のひとつなら、この時間に合わせて1日を組みましょう。味はセーチェニ温泉のやわらかなミネラル味から、ルダシュ温泉のはっきりした硫黄の風味までさまざまです。地元の人は日常的に飲みますが、旅行者はカップを飲みきれないことも多いです。温泉体験の一部とされていますが、入場券には含まれません。3つとも量り売りで、0.3リットル50フォリント、0.5リットル70フォリント、1リットル100フォリントです。
チケットの種類と料金、2026年の予約方法
2026年のブダペストの温泉料金は、以前と比べてかなり上がりました。特にセーチェニ温泉は、旅費を抑えたい人にとって無視できない出費になっています。料金体系も複雑で、平日と週末、ロッカーと個室更衣室、ルダシュ温泉の全エリア共通券と限定的な1エリア券、計算が必要なブダペストカードの割引、オンラインと窓口の違いなど、計画を左右しかねない差があります。ここでは本当に必要な情報だけをまとめます。
セーチェニ温泉の料金:平日と週末、個室更衣室とロッカー
セーチェニ温泉の料金は、平日か週末か、ロッカーか個室更衣室かで決まります。平日のロッカー付きチケットは13,200フォリント(約6,300円)、週末は14,800フォリント(約7,100円)です。共用ロッカーから個室更衣室に変えると、どちらも1,000フォリント(約480円)の追加です。個室更衣室は鍵のかかる専用の着替え部屋で、荷物も置きやすくなります。午後いっぱい過ごしてひと休みできる場所がほしいなら追加料金の価値がありますが、2時間程度ならなくても困りません。
ロッカーはRFIDチップ入りのリストバンドで開け閉めし、このリストバンドは館内での支払いにも使えます。食べ物、飲み物、サービスの代金をリストバンドにつけておき、帰りにまとめて精算する仕組みです。便利なぶん、気をつけていないとつい使いすぎます。入る前に予算を決めておきましょう。湯上がりでくつろいでいると、マッサージの受付がとても手ごろに見えてくるものです。
セーチェニ温泉
Állatkerti krt. 9-11, Budapest
営業時間:月〜木曜7:00〜20:00、金曜7:00〜22:00、土・日曜8:00〜20:00
料金:平日13,200フォリント(約6,300円)、週末14,800フォリント(約7,100円)、個室更衣室は1,000フォリント(約480円)の追加
ルダシュ温泉の料金:全エリア共通の1日券と、時間限定の1エリア券
ルダシュ温泉では、古いガイドに載っているエリアごとの組み合わせ式チケットはもう売っていません。基本は全エリア共通の1日券で、月〜木曜12,000フォリント(約5,800円)、金〜日曜15,000フォリント(約7,200円)、祝日とハイシーズン16,000フォリント(約7,700円)です。全エリア共通券のファストトラック版は、同じく平日、週末、祝日の順に15,000/18,000/19,000フォリント(約7,200円/8,600円/9,100円)です。安い1エリア券は平日の限られた時間帯にだけ残っていて、トルコ式浴場のみの1日券とウェルネス・スパのみの1日券(どちらも8,000フォリント、約3,800円)は、月・木・金曜の10:45までしか販売されません。残りのエリアに入れるようにする追加券(月〜木曜4,000フォリント、金曜7,000フォリント)もあります。金・土曜の夜間券は15,000フォリント(約7,200円)、個室更衣室への変更は1,000フォリントです。
ルダシュ温泉は運営が複雑です(男女別と男女共用、オスマン朝の浴場と屋上、昼と夜)。行く前に公式サイトを直接確認する価値があります。屋上が開いていると思って行ったら貸し切りで閉まっていた、というのは事前に確認していれば避けられる失敗ですが、実際にはよく起きています。
ルダシュ温泉
Döbrentei tér 9, Budapest
営業時間:エリアによって異なります
料金:全エリア共通、月〜木曜12,000フォリント/金〜日曜15,000フォリント/祝日16,000フォリント。1エリア券は平日の限られた時間帯に8,000フォリント
ルカーチ温泉の料金:2026年にいちばん安い大型温泉
ルカーチ温泉の料金は3大温泉のなかでいちばんシンプルで、いちばん安く設定されています。大人のロッカー付き入場券は平日(月〜木曜)7,000フォリント(約3,400円)、週末と祝日(金〜日曜)8,000フォリント(約3,800円)で、すべてのプールと屋外エリアに入れます。サウナワールドは1,300フォリント(約620円)の追加で、平日は14:00から、週末は終日利用できます。個室更衣室への変更は1,000フォリント、平日の閉館前2時間だけ使える午後券は3,800フォリント(約1,800円)です。この料金設定には、地元の常連客のための療養温泉であって、市場が許す上限まで値段をつける観光施設ではない、という姿勢が表れています。
料金が手ごろなので、ゆっくり長居するにもルカーチ温泉がいちばん向いています。7,000〜8,000フォリントなら、13,200フォリントのセーチェニ温泉のチケットのように元を取ろうと頭の中で計算することなく、4時間でもプールで過ごせます。旅費を抑えたい人や、ブダペスト滞在中に何度か温泉に行きたい人なら、ルカーチ温泉の料金ならリピートも現実的です。
ルカーチ温泉
Leó út 25-29, Budapest
営業時間:毎日7:00〜19:00、火曜のみ7:00〜22:00
料金:月〜木曜7,000フォリント/金〜日曜8,000フォリント(約3,400〜3,800円)
オンライン予約と当日購入:料金の差と行列の実態
セーチェニ温泉は、オンラインでも窓口でも料金は同じです。ただし満員のときはオンラインチケットが優先されるので、夏の週末や祝日に入口で待たされる心配がなくなります。出発前にQRコードをダウンロードしておき、入口でリストバンドと交換します。混雑日のセーチェニ温泉の当日券の行列は30〜45分になることもあり、楽しみにしていた温泉の前で待つのはつらいものです。ルダシュ温泉も、週末の男女共用の時間帯と屋上の夜の時間帯は事前予約しておくと安心です。ルカーチ温泉は空いているので、平日ならたいてい予約なしでほとんど待たずに入れます。週末の朝は少し並ぶこともあります。
ブダペストカードの割引:どの温泉で、いくら得か、元は取れるか
ブダペストカードがあると、ルカーチ温泉に1回無料で入れ、セーチェニ温泉とルダシュ温泉は20%引きになります。ルカーチ温泉の無料入場だけで、カード代のうち7,000〜8,000フォリントを取り戻せます。セーチェニ温泉の週末のロッカー付きチケットなら、20%引きでおよそ3,000フォリント(約1,400円)の節約です。カードの元が取れるかどうかは、ほかの対象施設や公共交通をどれだけ使うかしだいです。3日以上滞在し、有料の見どころを2〜3か所以上回るなら、たいてい元が取れます。温泉が目的の旅なら、いちばん大きな温泉の特典はルカーチ温泉の無料入場です。詳しくはブダペストカードのガイド(英語)にまとめています。
ブダペストカードの温泉割引:rudasfurdo.huのブダペストカードのページ、2026年11月1日に確認。
セーチェニ温泉、ルダシュ温泉、ルカーチ温泉の1日券の料金は、2026年11月1日に各運営会社の2026年料金表(szechenyibath.hu, rudasfurdo.hu, lukacsfurdo.hu)で再確認しました。
2026年の料金早見表
| 温泉とチケットの種類 | 料金(フォリント) | 円換算(目安) |
|---|---|---|
| セーチェニ温泉:大人・平日・ロッカー付き | 13,200フォリント | 約6,300円 |
| セーチェニ温泉:大人・週末・ロッカー付き | 14,800フォリント | 約7,100円 |
| セーチェニ温泉:個室更衣室への変更 | 1,000フォリント追加 | 約480円追加 |
| ルダシュ温泉:1日券(全エリア共通) | 月〜木曜12,000フォリント/金〜日曜15,000フォリント/祝日とハイシーズン16,000フォリント | 約5,800円/約7,200円/約7,700円 |
| ルダシュ温泉:トルコ式浴場のみ、またはウェルネス・スパのみ(月・木・金曜の10:45までのみ) | 8,000フォリント | 約3,800円 |
| ルダシュ温泉:夜間券(金・土曜) | 15,000フォリント | 約7,200円 |
| ルカーチ温泉:大人の入場券(ロッカー付き) | 月〜木曜7,000フォリント/金〜日曜8,000フォリント | 約3,400円/約3,800円 |
| セーチェニ温泉:20分マッサージ | 11,800フォリント | 約5,700円 |
| ルダシュ温泉:20分マッサージ | 10,000フォリント | 約4,800円 |
| ルカーチ温泉:20分マッサージ | 9,000フォリント | 約4,300円 |
料金はフォリント建てで、窓口で支払うのもフォリントです。円換算は1フォリント=約0.48円(2026年10月30日のECB参考レート)で計算した目安で、レートは変動します。料金は変わることがあるので、予約時に確認してください。
いつ行くか:温泉ごとのおすすめの曜日、時間、季節
行く時間を選ぶだけで、心からくつろげる午後になるか、40分も行列で待つことになるかが変わります。どの温泉も混雑のパターンは決まっていて、少し計画すれば避けられます。それぞれに、いちばんいい状態で楽しめる曜日と時間の組み合わせがあります。
セーチェニ温泉:火曜の朝が狙い目、週末は混雑を覚悟
セーチェニ温泉でいちばん役立つアドバイスは、平日、できれば火〜木曜の10:00前に着くことです。平日の早朝なら屋外プールは落ち着いていて、屋内のホールはほぼ貸し切り状態です。年金生活者、朝泳ぎに来た人、20年来毎週火曜に通う人など、ブダペストの常連たちが普段どおりに入浴する姿も見られます。11:00にはツアー客が到着します。週末の13:00になると、屋外プールは療養効果が怪しくなるほど混み合います。
いちばん混むのは土曜の11:00〜16:00です。人混みが平気な人や、大人数のグループで行ってにぎわいごと楽しみたい人でなければ避けましょう。日曜の午後は土曜の午後より少しましです。大きな祝日明けの月曜の朝は、実質的に週末並みです。どれもセーチェニ温泉をあきらめる理由ではありません。ツアーの都合に任せず、行く時間を自分で決める理由です。
セーチェニ温泉
Állatkerti krt. 9-11, Budapest
おすすめ:平日9:00〜12:00
避けたい時間:土曜11:00〜16:00
ルダシュ温泉:男女別になる曜日と時間
ルダシュ温泉では、いつ行くかという問題と、どの入浴形態かという問題が切り離せません。終日男女別になるのは火曜(女性)と水曜(男性)だけです。月・木・金曜は6:00〜10:45が男性専用で、11:00から男女共用になります。つまりこの3日間は、午後に行けば曜日に関係なく男女共用の時間帯です。
週末のルダシュ温泉は終日男女共用で水着が必須になり、雰囲気が大きく変わります。にぎやかで、声も大きくなり、観光客にぐっと人気が出ます。週末の夜の屋上プールは事前予約が必要で、売り切れることも多いです。屋上の眺めよりオスマン朝のドームが目当てなら、平日の該当する男女別の時間帯に行くと、ルダシュ温泉の魅力をより濃く味わえます。
ルダシュ温泉
Döbrentei tér 9, Budapest
営業時間:火曜は女性、水曜は男性で終日男女別。月・木・金曜は10:45まで男性専用、11:00から男女共用
週末:全エリア男女共用
ルカーチ温泉:水曜の午後がいちばん空いている理由
ルカーチ温泉は1週間を通してセーチェニ温泉やルダシュ温泉より空いていて、行く時間の自由度が高い温泉です。それでも水曜の午後は決まって人が少なくなります。週の半ばなので週末の観光客がおらず、午後なので朝の常連とも重ならず、混み具合はおそらく30〜40%ほどです。屋外プールには急ぐ用事のなさそうな地元の人がちらほらいるだけで、飲泉所の中庭は静かで、サウナにも余裕があります。控えめにいって、とてもいい時間です。
週末の朝のルカーチ温泉は平日より混みますが、同じ時間帯のセーチェニ温泉よりずっと落ち着いています。セーチェニ温泉の混雑のもとになる団体ツアーがあまり来ないのは、写真映えがそれほどしないことと、観光より入浴そのものを目的とする客を相手にしていることが理由です。どちらも短所ではなく長所です。
ルカーチ温泉
Leó út 25-29, Budapest
おすすめ:週の半ばの朝か午後
混雑:ほかの2つより1週間を通して空いています
季節で選ぶ:夏の屋上か、冬の湯気か
3つの温泉はどれも通年営業で、季節休業はありません。ただ、季節によって体験は大きく変わります。夏のセーチェニ温泉は暖かい空気のなかの屋外プールで、気持ちはいいものの、冬の湯気ほどの迫力はありません。夏は観光のハイシーズンで、3つとも1年でいちばん混みます。冬のセーチェニ温泉では、冷たい空気や雪のなかで湯気が立ちのぼる屋外プールを体験でき、12月から2月はそれを目当てに行く価値があります。冬のルダシュ温泉の屋上プールでは、温かいお湯から対岸の街の明かりを眺めるという、また別の見せ場があります。春と秋はその中間で、気温は快適、観光客は少なめで、ルカーチ温泉の屋外エリアがいちばん写真映えする季節です。日程に融通がきくなら、3月〜4月と9月〜10月が、3つの温泉とも混雑の少なさと体験のよさのバランスがいちばんいい時期です。
マナー、服装、初めての人への実用アドバイス
ブダペストの温泉文化には2,000年かけて積み重なった暗黙のルールがありますが、入口で誰かが説明してくれるわけではありません。更衣室はわかりにくく、ロッカーは説明なしでリストバンドを使いこなすことが前提です。ルダシュ温泉の裸での入浴についてはネット上に誤った情報が多く、写真撮影のルールも温泉ごとに違い、間違えると地元の人に本気で嫌がられます。説明されればどれも難しくありません。問題は、たいてい誰も説明してくれないことです。
更衣室の使い方:ロッカー、個室更衣室、リストバンド
3つの温泉とも、入場するとリストバンド(たいていRFID)が渡され、割り当てられたロッカーや個室更衣室を開けられます。セーチェニ温泉のロッカールームは広く、混む時間帯はごった返します。RFIDのリストバンドをロッカーの扉のセンサーにかざして使います。ルダシュ温泉のロッカーはこぢんまりしていて扱いやすく、ルカーチ温泉がいちばんわかりやすい仕組みです。どこでもリストバンドは館内でのキャッシュレス決済にも使うので、常に手首につけておきましょう。なくすとスタッフ事務所での手続きが必要になり、帰りが20分ほど遅れます。
持って行くもの:タオル(レンタルはありません)。セーチェニ温泉とルダシュ温泉はどちらも販売品の欄にタオル6,900フォリント(約3,300円)を載せていて、セーチェニ温泉の料金表にはその下にレンタル休止と書かれた1行があります。ビーチサンダルも持って行きましょう(温泉の石の床は何世紀も温かく湿ったままです。それなりの備えを)。ミネラル温泉に入っても気にならない水着も必要です。置いていくもの:多すぎる貴重品、壊れやすい物、そして更衣室の真ん中で戸惑う前に誰かが手順を説明してくれるだろうという期待です。
セーチェニ温泉
Állatkerti krt. 9-11, Budapest
更衣室:ロッカーと個室更衣室あり
料金:個室更衣室は1,000フォリント(約480円)の追加
ルダシュ温泉の「水着は任意」の本当の意味
ルダシュ温泉で水着が任意になるのは、オスマン朝の浴場エリアの平日の男女別の時間帯だけです。この時間帯は、水着ではなくエプロンやタオルを巻くか、好みで何も着ずに入るのが伝統的な入り方です。オスマン朝のハマム文化に忠実なもので、男女別の時間帯では例外ではなく普通のことです。ただし、ほかの時間帯にヌーディスト施設のように振る舞ってよいという意味ではありません。
週末の男女共用の時間帯と、屋上プールは常に水着が必須です。区別は単純で、スタッフは淡々と、しかし例外なく徹底しています。この点についてはネット上でかなり混乱が見られます。ゲッレールト温泉の歴史ある個室浴室の話がルダシュ温泉のことと取り違えられたり、いくつかの旅行ブログがオスマン朝の時間帯を、実際より広く裸が認められているかのように書いたりしたためです。正しくは、水着はどこでも必須で、例外はルダシュ温泉のオスマン朝の浴場の男女別の時間帯だけです。そこでも水着は禁止ではなく任意で、伝統的に着ない人が多いというだけです。
ルダシュ温泉
Döbrentei tér 9, Budapest
水着が任意:オスマン朝の浴場の男女別の時間帯のみ
水着が必須:男女共用の時間帯と屋上
温泉ごとの写真撮影のルール
撮影のルールは温泉ごとに違い、どこまで厳しく守らせるかもまちまちです。セーチェニ温泉では、プールや共用エリアでの撮影はおおむね黙認されています(屋外プールは常に誰かが撮っています)が、更衣室でのカメラやスマートフォンの使用ははっきり禁止されています。ルダシュ温泉はオスマン朝の浴場エリアでの撮影に厳しく、男女別の時間帯は掲示があってもなくても、撮影はふさわしくないと考えてください。試みれば地元の人からはっきり嫌がられますし、それは当然の反応です。屋上はもう少し緩やかです。ルカーチ温泉では共用エリアの撮影はおおむね問題ありませんが、常連客は写真に撮られるために来ているのではありません。療養中の年配の地元の人を絵になる背景のように扱えば、歓迎はされません。
子連れでの利用:子どもの入場と年齢制限
3つとも14歳未満は入場できません。セーチェニ温泉は2025年8月から14歳未満を断っていて、ルカーチ温泉とルダシュ温泉も同じ制限です。小さな子ども連れなら、マルギット島のパラティヌス・ストランド(Palatinus Strand)を軸に計画しましょう。10代の子ども連れなら、屋外プールでゆったり広がれる規模のセーチェニ温泉がいちばん向いています。ルダシュ温泉は家族向けではありません。オスマン朝の浴場は伝統的に男女別で大人向けの場所ですし、全体の雰囲気も子どもを想定していません。屋上プールの年齢制限は時間帯によって異なり、夜の時間帯は大人専用です。
トラブルのとき:防犯と貴重品の扱い
3つの温泉とも警備員とスタッフ事務所があります。パスポートや多額の現金はプールに持ち込まず、宿に置いてきましょう。各温泉のRFIDの仕組みで、ロッカーの中身はある程度守られています。貴重品が盗まれたら、すぐに温泉の警備員に届け、必要なら警察に被害届を出してください。プールでのスリはまれですが、観光客の多い時期のセーチェニ温泉では起きないとはいえません。気をつけるべきはプールより更衣室です。
ルカーチ温泉
Leó út 25-29, Budapest
営業時間:毎日7:00〜19:00、火曜のみ7:00〜22:00
料金:月〜木曜7,000フォリント/金〜日曜8,000フォリント(約3,400〜3,800円)。14歳以上のみで、子ども料金はありません
サウナ、ウェルネスのオプション、館内の食事
主役は温泉プールですが、サウナ、マッサージ、館内の飲食も滞在を充実させてくれます。扱い方は温泉ごとに違います。セーチェニ温泉は規模が大きいぶん選択肢が多い反面、段取りが必要です。ルダシュ温泉は施設が小さいぶん選択肢は限られますが、中身が凝縮されています。ルカーチ温泉はいちばん控えめながら、安定した質のサービスをいちばん安い料金で提供しています。
サウナの比較:ドライ、スチーム、温度
セーチェニ温泉には、フィンランド式のドライサウナ、スチームルーム、アロマサウナなど、その時々の設備構成に応じて複数の種類があります。サウナは通常の入場料に含まれていて、屋内プールのすぐ隣にあります。ルダシュ温泉はウェルネスエリアにスチームルームがあり、特に新しい棟のものが充実しています。ルカーチ温泉のサウナワールドは入場券に1,300フォリントを足すオプションで、平日は14:00から、週末は終日開いています。3つとも、本場フィンランドのサウナ文化のような何部屋も続く本格的なサウナではありません。ここは中欧の温泉文化で、乾いた熱に長くさらされるより、プールに浸かってミネラル豊富な湯に触れることを大事にしています。
マッサージ:メニュー、料金、予約は必要か
3つの温泉はどれも、アロマテラピー、スウェーデン式(リフレッシュ)マッサージなどの定番メニューをそろえ、カップル向けのマッサージがあることもあります。20分のマッサージはセーチェニ温泉11,800フォリント(約5,700円)、ルダシュ温泉10,000フォリント(約4,800円)、ルカーチ温泉9,000フォリント(約4,300円)です。ルカーチ温泉はマッサージも安く、入浴とマッサージを組み合わせる午後にはいちばん手ごろな選択です。週末のセーチェニ温泉では事前予約を強くおすすめします。開館後すぐにマッサージの受付が埋まっていきます。平日のルダシュ温泉とルカーチ温泉は、予約なしでも受けられることが多いです。45分コースは3つともあり(セーチェニ温泉19,000フォリント、ルダシュ温泉15,000フォリント、ルカーチ温泉13,000フォリント)、1分あたりでは20分コースより割安です。60分のプレミアムコースがあるのはルダシュ温泉だけで、21,000フォリント(約10,100円)です。
館内での飲食
セーチェニ温泉には館内にレストランとカフェがあり、8:00から開いていて、昼どきには温かいハンガリー料理が食べられます。館内の飲み物や軽食は外より高めですが、食べ物とソフトドリンク(アルコールは不可)の持ち込みが認められているので、長く浸かる日は水のボトルと軽食をかばんに入れておくのが手軽です。ルダシュ温泉は入口近くにカフェがあり、飲み物と軽食を出しています。ルカーチ温泉の館内カフェは、飾り気なく手際よく常連客に対応しています。セーチェニ温泉では飲食代をRFIDのリストバンドにつけられます。ルダシュ温泉とルカーチ温泉では念のため現金も用意しておきましょう。
バリアフリー:体の不自由な人に向いている温泉
セーチェニ温泉は、手助けがあれば利用できます。公式のFAQでは建物は完全なバリアフリーではないとしつつ、移動に制約のある人を歓迎していて、到着時にスタッフに車いすが入る個室更衣室を頼むよう案内しています。ルカーチ温泉は、改修工事のためバリアフリー対応の更衣設備が一時的に使えないとしていて、終了時期は示されていません。ルダシュ温泉ははっきり利用できません。公式サイトによると、技術的な理由から、移動に制約のある人は現在利用できないとのことです。どこへ行くにしても事前に電話で確認してください。詳しくは温泉の車いす対応ガイド(英語)にまとめています。
バリアフリーに関する案内は、2026年10月3日(土)にブダペスト温泉会社(Budapest Gyógyfürdői)の各公式サイト(szechenyifurdo.hu、lukacsfurdo.hu、rudasfurdo.hu)で確認しました。
セーチェニ温泉
Állatkerti krt. 9-11, Budapest
設備:複数の種類のサウナ、館内レストラン
料金:マッサージは20分11,800フォリント(約5,700円)から
ルダシュ温泉
Döbrentei tér 9, Budapest
設備:スチームルーム、マッサージあり
予約:週末は事前予約がおすすめ
ルカーチ温泉
Leó út 25-29, Budapest
サウナ:サウナワールドは平日14:00から、1,300フォリントの追加
設備:館内カフェ、マッサージは20分9,000フォリント(約4,300円)から
行き方:場所、交通、駐車場
3つの温泉とも公共交通で問題なく行けるので、それがいちばんのおすすめです。ブダペストの交通網は十分に便利で、車で温泉に行って駐車場を探すのは、たいていの場合、手間が増えるだけです。3つの温泉は街の別々の場所にあり、1日に2か所以上回ることもできますが、よほどはっきりした目的があり、長時間の温泉浴に強い人でなければ、あまりおすすめしません。
セーチェニ温泉:地下鉄と徒歩で市民公園へ
セーチェニ温泉はペスト側の市民公園(Városliget)の中にあり、地下鉄M1線のセーチェニ・フュルドゥー駅(Széchenyi fürdő)からすぐです。M1線はヨーロッパ大陸で最も古い地下鉄路線のひとつです。駅の出口から温泉の入口まで徒歩約2分。英雄広場(Hősök tere)から公園を抜けて歩くと、5分ほど余計にかかります。市民公園周辺の路上駐車スペースは少なく、たいてい埋まっているので、地下鉄で行くのが現実的です。M1線は主要な乗換駅のデアーク・フェレンツ広場(Deák Ferenc tér)に通じていて、市内中心部のどこからでも乗り換えなしでセーチェニ温泉に行けます。
セーチェニ温泉
Állatkerti krt. 9-11, Budapest
アクセス:地下鉄M1線のセーチェニ・フュルドゥー駅
駐車場:近くの路上駐車スペースは限られています
ルダシュ温泉:川沿いの立地とトラム
ルダシュ温泉はゲッレールトの丘のふもと、ドナウ川のブダ側の岸辺に建っていて、トラム19番と41番のルダシュ・フュルドゥー停留所(Rudas fürdő)で降ります。トラムは川沿いを走り、停留所は温泉の入口のほぼ目の前です。ペスト側からエルジェーベト橋を歩いて渡ると約10分で、川に面した建物の正面に直接たどり着けます。ドブレンテイ広場(Döbrentei tér)や周辺の通りに路上駐車スペースが多少ありますが、川沿いという立地を考えると、トラムのほうがずっと楽で確実です。
ルダシュ温泉
Döbrentei tér 9, Budapest
アクセス:トラム19番・41番のルダシュ・フュルドゥー停留所
駐車場:ドブレンテイ広場に多少あり
ルカーチ温泉:ブダ北部の温泉への行き方
ルカーチ温泉はブダ側のヴィズィヴァーロシュ(Víziváros)地区にあり、セーチェニ鎖橋から北へ約1.5キロメートルです。トラム17番と19番のルカーチ・フュルドゥー停留所(Lukács fürdő)が温泉の目の前にあります。ルダシュ温泉に行くのと同じ川沿いのトラム路線が北へ延びてルカーチ温泉まで通じているので、理論上は1本のトラムでブダ側の2つの温泉を1日で回れます。路上駐車はほかの2つの温泉より見つけやすく、車が多少便利になる唯一のケースです。地下鉄M2線のバッチャーニ広場駅(Batthyány tér)からは、徒歩15分かトラムですぐです。
ルカーチ温泉
Leó út 25-29, Budapest
アクセス:トラム17番・19番のルカーチ・フュルドゥー停留所
駐車場:路上駐車スペースあり
1日に2つの温泉を回れますか
体力的には可能ですが、あまりおすすめしません。36〜38℃のミネラル温泉に3〜4時間浸かると、じわじわと疲れがたまり、トラムに乗り直すか、ベンチでしばらく休むか迷うころに一気に表れます。どうしても2か所回るなら、同じ川沿いのトラム路線でつながっているルダシュ温泉とルカーチ温泉の組み合わせがいちばん現実的です。午前中はオスマン朝のドーム、午後はルカーチ温泉の屋外プールという流れです。セーチェニ温泉はブダ側の温泉から離れているので、ほかの温泉と組み合わせるとかなりの移動になります。たいていの人には、1つの温泉をしっかり楽しむのがちょうどいい量です。
結論:あなたに合う温泉はどれか
建築、温泉水、料金、行き方を見てきましたが、最終的なおすすめは、どの温泉が客観的に優れているかではなく、どんな体験を求めているかで決まります。3つは置き換えのきく温泉ではありません。期待と温泉の個性が合わないことが、ブダペストの温泉でがっかりするいちばんの原因です。それぞれが本領を発揮する場面は次のとおりです。
初めてなら:セーチェニ温泉
ブダペストの温泉が初めてで、「ブダペストの温泉」と聞いて誰もが思い浮かべる体験をまるごと味わいたいなら、答えはセーチェニ温泉です。規模は圧倒的で、屋外プールの体験は象徴的、チェスを指す人たちもいて、ネオバロック建築は写真で見たとおりの迫力です。特に週末は混みますが(計画を立てて行きましょう)、規模が大きいので、小さな温泉では耐えられないような混雑でも何とかなります。平日13,200フォリント(約6,300円)と3つのなかでいちばん高いものの、ブダペスト旅行で一度だけ行くなら、見ごたえに対して納得できる料金です。
セーチェニ温泉
Állatkerti krt. 9-11, Budapest
向いている人:初めての人、にぎやかな雰囲気が好きな人、冬の屋外体験をしたい人
料金:平日13,200フォリント(約6,300円)
2回目の人や建築好きなら:ルダシュ温泉
セーチェニ温泉はもう体験していて、この街の入浴文化の歴史にもっと深く触れたいなら、建築と歴史の本格的な体験があるのはルダシュ温泉です。オスマン朝のドームは、温泉に限らず、ブダペストに残る16世紀の建造物のなかでも屈指の内部空間です。現代との対比として屋上プールも加え、平日の男女別の時間帯にオスマン朝の浴場を伝統的な形で体験すれば、2時間で5世紀分の入浴文化に触れる午後になります。全エリア共通で月〜木曜12,000フォリント、金〜日曜15,000フォリント(約5,800〜7,200円)と、平日はセーチェニ温泉より安く、料金に対してより個性的な体験ができます。
ルダシュ温泉
Döbrentei tér 9, Budapest
向いている人:建築好き、屋上の眺めを楽しみたい人、夜に入りたい人
料金:全エリア共通、月〜木曜12,000フォリント/金〜日曜15,000フォリント(約5,800〜7,200円)
節約派や地元の雰囲気を味わいたいなら:ルカーチ温泉
ブダペストの人たちが実際に使っているような、本物で落ち着いた、お得な温泉体験を重視するなら、答えはルカーチ温泉です。月〜木曜7,000フォリント/金〜日曜8,000フォリント(約3,400〜3,800円)と、3つのなかでいちばん安く入れます。客は地元の人で、療養温泉としての実績も本物です。静かですが、雰囲気がないわけではなく、別の落ち着いた雰囲気があります。団体ツアーも、SNS用の写真を撮ろうと場所取りする人もいません。築140年のミネラル温泉を、本来の目的どおりに使う人たちがいるだけです。
ルカーチ温泉
Leó út 25-29, Budapest
向いている人:節約派、地元の雰囲気を味わいたい人、療養が目的の人
料金:月〜木曜7,000フォリント/金〜日曜8,000フォリント(約3,400〜3,800円)
ゲッレールト温泉に行きたかった人へ:いちばんの代わり
ゲッレールト温泉そのもの(アール・ヌーヴォー様式の内装、個室浴室、建物の格式)を楽しみにしていた人にとって、代わりは完璧ではありませんが、十分に満足できます。ゲッレールト温泉の建築と歴史にいちばん近い体験なら、代わりはルダシュ温泉です。1918年のアール・ヌーヴォー様式ではなく本物のオスマン朝の遺産ですが、歴史的な重みは同じくらいあり、規模はもっと親密です。ゲッレールト温泉の常連が大切にしていた療養と地元の雰囲気なら、近いのはルカーチ温泉です。同じブダ側にあり、療養を重視し、客層も地元の人中心です。どちらもゲッレールト温泉ではありませんが、どちらもそれ自体で行く価値があります。

ひとり旅、カップル、グループ:同行者に合う温泉
ひとり旅なら、平日の早朝のセーチェニ温泉か、ルダシュ温泉のオスマン朝の時間帯がいちばん合っています。どちらも、ひとりで静かに、誰にも気を使わずに浸かれる温泉文化です。カップルで行くなら、計画の前にルダシュ温泉の平日の男女別の時間帯を確認してください。オスマン朝の浴場に一緒に入りたいなら、週末の男女共用の時間帯が正解です。週末の夜のルダシュ温泉の屋上は、この街でも指折りのデート向きの体験です。グループならセーチェニ温泉の規模が向いています。屋外プールは大人数でも自然に過ごせますし、大きな温泉のにぎやかな雰囲気は、こぢんまりしたルダシュ温泉のドームや静かなルカーチ温泉より、みんなで行くのに合っています。
基本情報:営業中の3つの温泉(2026年)
セーチェニ温泉
住所:Állatkerti krt. 9-11, Budapest 1146
営業時間:月〜木曜7:00〜20:00、金曜7:00〜22:00、土・日曜8:00〜20:00
入場料:平日13,200フォリント(約6,300円)、週末14,800フォリント(約7,100円)
アクセス:地下鉄M1線のセーチェニ・フュルドゥー駅
向いている人:初めての人、冬の屋外での湯浴み、にぎやかな雰囲気、湯船のチェスを見たい人
ルダシュ温泉
住所:Döbrentei tér 9, Budapest 1013
営業時間:毎日営業、時間はエリアによって異なります。行く前に最新のスケジュールを確認してください
入場料:全エリア共通、月〜木曜12,000フォリント(約5,800円)、金〜日曜15,000フォリント(約7,200円)、祝日とハイシーズン16,000フォリント(約7,700円)。トルコ式浴場のみ、またはウェルネス・スパのみの券は8,000フォリント(約3,800円)で、月・木・金曜の10:45までのみ
アクセス:トラム19番・41番のルダシュ・フュルドゥー停留所
向いている人:建築、オスマン朝の遺産、屋上からのドナウ川の眺め、夜の入浴
ルカーチ温泉
住所:Leó út 25-29, Budapest 1023
営業時間:毎日7:00〜19:00、火曜のみ7:00〜22:00
入場料:月〜木曜7,000フォリント(約3,400円)、金〜日曜8,000フォリント(約3,800円)
アクセス:トラム17番・19番のルカーチ・フュルドゥー停留所
向いている人:地元の雰囲気、節約派、療養目的の湯浴み、空いている温泉を求める人
料金はすべてフォリントです。料金と営業時間は、行く前に各温泉で直接確認してください。
ルダシュ温泉の料金表と、セーチェニ温泉、ルカーチ温泉の営業時間は2026年9月26日(土)に確認しました。ルカーチ温泉の料金表と14歳以上の年齢制限も同じ日に確認しています。
セーチェニ温泉、ルダシュ温泉、ルカーチ温泉の入場料、マッサージ料金、営業時間、飲泉所の時間、ルカーチ温泉のサウナ追加料金は、2026年10月4日(日)にszechenyifurdo.hu/arak-2026/szechenyibath.hu/opening-hours、rudasfurdo.hu/arak-2026/rudasfurdo.hu/nyitvatartas、lukacsfurdo.hu/arak-2026/lukacsfurdo.hu/nyitvatartasで再確認しました。ゲッレールト温泉の休館のお知らせも同じ日にgellertfurdo.huで確認しています。
よくある質問
ブダペストにはなぜ温泉がこんなに多いのですか?
ブダペストの地下には100を超える天然の温泉が湧いていて、その数は世界の首都でいちばんです。ブダの丘陵とパンノニア盆地の境目にあるため、地熱で温められた水が断層を伝って上がり、21℃から76℃で地表に出てきます。この湯を使った入浴文化は古代ローマのアクインクムにさかのぼり、16〜17世紀のオスマン帝国時代に制度として根づき、19世紀のオーストリア=ハンガリー帝国の下で療養産業として整えられました。2,000年をかけて、温泉の設備と入浴の習慣が日々の暮らしに溶け込んだ街です。
ブダペストの温泉は裸で入れますか?
ほぼすべての温泉で、ほぼいつでも水着が必要です。例外はルダシュ温泉の歴史あるオスマン朝の浴場で、平日の男女別の時間帯だけは、エプロンやタオルを巻いて入る伝統が残っていて、水着は任意です。ルダシュ温泉でも週末の男女共用の時間帯と屋上プールは水着が必須です。ゲッレールト温泉で裸が許されていたという話は誤解で、あれは個室の浴室でひとりで入る仕組みでした。セーチェニ温泉とルカーチ温泉は常に水着が必須です。
ブダペストの温泉にはどんな健康効果がありますか?
温泉のお湯は、筋肉の緊張をほぐし、関節を楽にし、血行をよくすると考えられています。ミネラルによる効果は源泉ごとに違い、ルダシュ温泉の硫黄泉は呼吸器、セーチェニ温泉のカルシウム炭酸水素塩泉は骨や関節、ルカーチ温泉の炭酸水素塩の多い湯は昔からリウマチと結びつけられてきました。ハンガリーの温泉医学は温泉水を娯楽ではなく治療として扱っていて、決まった症状のために通うブダペスト市民も大勢います。ご自身の症状については医師に相談してください。
冬に行くならブダペストのどの温泉がいいですか?
定番はセーチェニ温泉です。氷点下の空気のなか、38℃の屋外プールで湯気に包まれる体験は、冬にしか味わえないこの街ならではの光景です。ルダシュ温泉の屋上プールも有力で、温かいお湯、ドナウ川の眺め、街の明かりがそろう夜の時間帯が特におすすめです。ルカーチ温泉の屋外プールも通年営業で、静かに冬の温泉を楽しめます。3つとも冬季休業はなく、1月と2月は観光客が少ないぶん、どこもいっそう快適です。
ブダペストの温泉のお湯は飲めますか?
飲めます。セーチェニ温泉、ルカーチ温泉、ルダシュ温泉のいずれにも飲泉所(ivócsarnok)があり、温泉水をそのまま飲めます。入場券には含まれませんが、0.3リットル50フォリント、0.5リットル70フォリント、1リットル100フォリントとほんのわずかな料金で、本来の温泉体験の一部とされています。味は源泉によって違い、セーチェニ温泉はやわらかなミネラル味、ルダシュ温泉ははっきりした硫黄の風味、ルカーチ温泉の中庭の泉はチョークのような炭酸水素塩の味がします。地元の人は日常的に飲んでいて、どの水がいちばんおいしいかにこだわりがあります。旅行者はカップ半分ほどで手が止まることが多いのですが、それも自然な反応です。
ブダペストの温泉でマッサージはどう受けますか?
営業中の3つの温泉はどこも、20分と45分のクラシックマッサージを用意しています。60分のプレミアムコースがあるのはルダシュ温泉だけです。アロマテラピー、スウェーデン式(リフレッシュ)マッサージのほか、施設によってはカップル向けや専門的な施術もあります。20分の料金はルカーチ温泉9,000フォリント(約4,300円)、ルダシュ温泉10,000フォリント(約4,800円)、セーチェニ温泉11,800フォリント(約5,700円)です。週末のセーチェニ温泉は枠がすぐ埋まるので、事前予約を強くおすすめします。平日のルダシュ温泉とルカーチ温泉は、当日でも受けられることが多いです。支払いはセーチェニ温泉ならRFIDのリストバンドにつけられ、ルダシュ温泉とルカーチ温泉はマッサージ受付で現金かカードで払います。
お湯に入らずに温泉を見学できますか?
セーチェニ温泉ではできません。ガイドツアーも見学だけのチケットもなく、中に入るには入浴券が必要です。入ってしまえば泳ぐ義務はなく、屋外の中庭ならプールサイドから全体を見渡せるので、体の事情で湯船に入りにくい人には助かります。どの温泉でも、通常の入場券を買うのが現実的です。温泉は入浴のための施設で、博物館のように見て回るだけでは本来の姿の一部しか見えません。
事前予約で窓口の列を避ける


料金確認日 2026-10-26. これらのリンクから予約すると、追加料金なしで当サイトの運営を支えることができます。 しくみについて.