ブダペストの治安はパリ・ロンドン・バルセロナより安全?|2026年版
この記事の目次
ハンガリーは米国務省の渡航勧告で最も低いレベルにあり、ブダペストで凶悪犯罪はまれです。漁夫の砦やブダ城地区に、土産物の押し売りがずらりと並んでいることはありません。中心部で声をかけられるとすれば、たいていはクリップボードを持った「署名集め」です。
そのぶん、旅の日程は温泉、ドナウ川、食事を中心に組めます。気をつけるのは、混んだトラム、駅、市場でのスマートフォンと財布です。深夜にホテルへ戻るなら、正規のタクシーか配車アプリを使ってください。

4都市の比較
| 項目 | ブダペスト | パリ | ロンドン | バルセロナ |
|---|---|---|---|---|
| 米国の渡航勧告 | レベル1(最も低い) | レベル2 | レベル2 | レベル2 |
| 自宅近くの犯罪・破壊行為、国別(ユーロスタット2023年) | 6.1%(ハンガリー) | 14.7%(フランス) | EUのデータに含まれない | 13.6%(スペイン) |
| 人口10万人あたりの殺人件数、国別(ユーロスタット2024年) | 0.69(ハンガリー) | 1.28(フランス) | EUのデータに含まれない | 0.72(スペイン) |
| 主要な観光名所 | 路上の物売りは少なく、ときどき署名集め | エッフェル塔周辺に物売りと賭けゲーム | ウエストエンドで電動自転車からのスマートフォンのひったくり | 人混みのスリ |
| 旅行者のおもなリスク | 混んだトラムのスリ、いくつかの詐欺 | スリ、路上の詐欺 | スマートフォンとバッグのひったくり | スリ |
渡航勧告が示すこと
国どうしを中立的に比べる材料としては、政府の渡航情報がいちばん頼りになります。自国民に向けて書かれていて、状況が変わればすぐに内容が更新されるからです。
米国務省はすべての国を、レベル1「通常の注意」からレベル4「渡航中止」までで評価しています。ハンガリーは、直近の見直しである2026年4月15日からレベル1です。オーストリアとチェコも同じレベル1なので、ブダペスト、ウィーン、プラハの三角ルートは、ヨーロッパの人気都市のなかで最も低いレベルにそろう数少ない組み合わせです。フランス、イタリア、英国、スペイン、ドイツ、オランダ、ベルギーはいずれもレベル2「注意の強化」で、おもな理由は、注目度の高い大きな首都につきもののテロのリスクです。
| 国 | 米国の勧告レベル | 米国の直近の見直し |
|---|---|---|
| ハンガリー | レベル1 | 2026年4月15日 |
| オーストリア | レベル1 | 2026年8月21日 |
| チェコ | レベル1 | 2026年1月8日 |
| フランス | レベル2 | 2026年10月21日 |
| イタリア | レベル2 | 2026年9月10日 |
| 英国 | レベル2 | 2026年9月9日 |
| スペイン | レベル2 | 2026年8月1日 |
英国外務省はレベルを使っていません。ハンガリーについては、どの首都でも必要な程度の、軽犯罪への通常の注意を求めています。
旅のポイント:レベル2だからパリやバルセロナを避けるべき、ということではありません。人混みや大きなイベントではいつもより注意してください、という意味です。レベル1のブダペストでは、温泉、ドナウ川、食事を中心に日程を組めます。
西欧で相次ぐ暴動と、落ち着いたブダペスト
2026年10月、パリ、ミラノ、バルセロナを含む西欧のいくつかの都市で、生活費と住宅をめぐる抗議行動が警察との衝突に発展し、パリとミラノでは店が略奪されました。こうした暴動や略奪はブダペストでは一般的ではなく、中東欧全体でもおおむね同じです。ブダペストでもおもに祝日の前後にデモがありますが、行進や集会が中心で、たいていは平穏に終わります。
旅のポイント:ブダペストでデモといえば、たいていは道路の通行止めとトラムの迂回です。パリ、ミラノ、バルセロナも旅程に入っているなら、中心部へ出かける朝に地元のニュースを確認し、デモの列には近づかず、騒ぎを立ち止まって見たり撮影したりしないでください。
犯罪は少なく、凶悪犯罪はまれ
国別の犯罪データも、渡航勧告と同じことを示しています。2023年に自宅の近くで犯罪、暴力、破壊行為があると答えた人は、ハンガリーではわずか6.1%で、EU平均は10.0%、スペインは13.6%、フランスは14.7%でした(ユーロスタット)。
このリストのどの国でも凶悪犯罪はまれです。ハンガリーの2024年の殺人件数は人口10万人あたり0.69件で、スペイン(0.72)やオランダ(0.67)に近く、ドイツ(0.83)、フランス(1.28)、ベルギー(1.40)より低く、イタリア(0.57)より少し高い水準です(ユーロスタット)。英国はEUのデータに含まれなくなりました。スリの件数を都市ごとに比べられる形で公表している国はないため、スリについては渡航勧告のほうが参考になります。
旅のポイント:ブダペストでは凶悪犯罪を心配する必要はほとんどありません。気をつけるのは、どの大都市とも同じく、人混みでのスマートフォンと財布です。
主要な観光名所での路上の手口を比較
ニュースになるのは抗議行動ですが、大都市で旅行者が実際に出会うのは、いちばん有名な景色の前の人混みと、その人混みを狙う人たちです。
エッフェル塔のまわりでは、賭けゲームの人たちや、ミニチュアのエッフェル塔、ブレスレット、安いドローンを売る人が人混みの中を行き来し、夜になるとバケツに入れたワインやシャンパンを売る人も出てきます。ロンドンでは、レンタル自転車に乗った2人組が肩にかけたバッグをひったくり、自転車を乗り捨てて走って逃げる手口もあります。ローマのコロッセオのまわりも同じです。どれも悪い街という意味ではありません。街なかの雰囲気が違うということです。
- パリ、エッフェル塔の周辺:許可のない路上販売も、3つのカップのどれかにボールを隠して賭けさせる、仕組まれた賭けゲームも違法です。警察は、塔の対岸のトロカデロで観光客をだます物売りや賭けゲームの客引きに対し、夜間の取り締まりを繰り返しています(パリ16区区役所、2024年)。英国外務省は、パリのスリはチームで動くことがあり、1人が気をそらしている間にもう1人がバッグに手を入れると注意しています。旅のポイント:賭けゲームや売り込みには立ち止まらず、知らない人が何かを手渡そうとしてきたら、そのまま歩き続けてください。
- ロンドン、ウエストエンド:電動自転車やスクーターに乗った窃盗犯が、歩道を歩く人からスマートフォンや腕時計をひったくります。2026年、ロンドン警視庁はひったくりの多発地帯であるウェストミンスターで数か月にわたる取り締まりを行い、187人を逮捕しました(The National、2026年9月10日)。スマートフォンの窃盗と強盗は2024年の81,439件から2025年の71,867件に減っていますが、それでも大きな数字です(ロンドン警視庁の数字、2026年10月8日)。旅のポイント:地図は車道から離れた場所で確認し、バッグは斜めがけにして車道と反対側に持ってください。
- ローマ、コロッセオの周辺:英国外務省は、主要な観光名所でのひったくりとスリ、そして気をそらす手口を使う窃盗に注意を呼びかけています。旅のポイント:貴重品は分けて持ち、バッグは体の前に抱えてください。頼んでいない申し出には、ていねいに断って一歩下がってください。
- ブダペスト、漁夫の砦とブダ城地区:土産物や自撮り棒の押し売りがずらりと並んでいることはありません。中心部で声をかけられるとすれば、ヴァーツィ通りやヴェレシュマルティ広場の周辺でクリップボードを持った「署名集め」で、最後にお金を求められます。手口は詐欺・ぼったくり対策ガイドで説明しています。旅のポイント:安心して景色を楽しんでください。クリップボードを差し出されたら、歩きながら「ノー・サンキュー」と言えばそれで済みます。混んだトラムでは、スマートフォンや財布をしっかりしまう普段の習慣を忘れずに。
夜のブダペスト
中心部、ドナウ川沿いの遊歩道、ユダヤ人地区は深夜を過ぎてもにぎやかで明るく、BKKの夜行バスは一晩中走っています。遅めの夕食も、夜の温泉も、廃墟バーのはしごも、特別な備えはいりません。いくつかのことに気をつければ十分です。
- ブラハ・ルイザ広場、ラーコーツィ広場、ニュガティ広場など、いくつかの大きな交通拠点は、深夜は長居せず、さっと通り抜けたい場所です。乗りたいトラムの停留所か地下鉄の入口へまっすぐ向かってください。
- 使っていないスマートフォンは前ポケットへ。お金やたばこを求めて近づいてくる人には、立ち止まって応じないでください。
- 深夜にホテルへ戻るときは、路上の誘いには乗らず、正規のタクシーか配車アプリを使ってください。正規のタクシー会社はタクシーガイドにまとめています。
ブダペストで旅行者が実際に出会うリスク
多くの旅行者にとって、ブダペストでのトラブルは小さく、避けられるものです。英国外務省がよくある犯罪として挙げるのはひったくりとスリで、おもに混んだ公共交通機関、駅、市場、観光地で起きます。具体的には、トラム4番・6番、ドナウ川沿いのトラム2番、ラッシュアワーの地下鉄、中央市場、大きな駅です。
ほかには、よく知られた詐欺がいくつかある程度です。水増しされたタクシー料金、親しげな誘いのあとの、注文をはるかに超えるバーの請求、条件の悪い両替です。ひとつずつブダペストの詐欺・ぼったくり対策ガイドで説明しています。地区ごとの様子、夜遊び、緊急時の対応はブダペストの治安ガイドにまとめています。ひとり旅ならひとり旅ガイドをどうぞ。
祝日には式典のため国会議事堂周辺が通行止めになり、トラムやバスのルートが変わります。出かける前にBKKの経路検索を確認してください。
緊急番号は112で、警察、救急、消防につながり、オペレーターは英語を話します。
ブダペストが長い旅の途中の1都市なら
- ウィーンとプラハ:勧告レベルも、気をつけることも同じです。混んだトラムや主要駅ではバッグに気をつけてください。
- パリとバルセロナ:抗議行動のある日は、予定にゆとりを持たせてください。駅が急に閉鎖されることがあるので、ホテルへ戻る別のルートを知っておきましょう。
- ロンドン:上の路上の手口の項目のとおり、地図は車道から離れて確認し、バッグは車道と反対側に持ってください。
結局、ブダペストは行く価値がある?
あります。短い旅で気になる点を見ると、ブダペストはよい条件がそろっています。渡航勧告は最も低いレベルで、自宅近くの犯罪は少なく、凶悪犯罪はまれです。主要な観光名所でも、客引きに悩まされずに景色を楽しめます。温泉、ドナウ川、廃墟バーを目当てに来て、どの大都市でもするように貴重品に気を配っていれば、治安のことを考えずに旅を終えられる可能性が高いでしょう。
出典:米国務省の渡航勧告(travel.state.gov)、2026年10月25日確認。英国外務省の渡航情報(ハンガリー、フランス、イタリア、スペイン)、2026年10月25日確認。ユーロスタットcrim_off_cat(故意の殺人、2024年)とilc_mddw03(地域の犯罪・暴力・破壊行為、2023年)、2026年10月25日確認。AFP(2026年10月18日)、Euronews(2026年10月6日・19日)、The Olive Press(2026年10月6日)、パリ16区区役所の治安ニュースレター(2024年2月)、The National(2026年9月10日)、Hello Rayoが報じたロンドン警視庁の数字(2026年10月8日)、Index(2026年10月13日)。
よくある質問
ブダペストはパリより安全ですか?
公式の渡航勧告で比べると、ブダペストのほうが安全です。米国務省はハンガリーをレベル1、フランスをレベル2としています。いちばん違いを感じるのは観光名所です。エッフェル塔のまわりでは路上の物売りや賭けゲームの客引きが観光客を狙いますが、ブダペストのブダ城地区では落ち着いて景色を楽しめます。
ブダペストはロンドンより安全ですか?
米国の勧告でハンガリーはレベル1、英国はレベル2です。ロンドンでよく知られる路上のリスクは、ウエストエンドで電動自転車やスクーターに乗った窃盗犯によるスマートフォンのひったくりです。ブダペストで日常的に気をつけるのは混んだトラムでのスリで、前ポケットとファスナー付きのバッグで防げます。
ブダペストはバルセロナより安全ですか?
米国の勧告でスペインはレベル2、ハンガリーはレベル1です。どちらの街でも観光客のいちばんのリスクはスリなので、同じ習慣が役立ちます。人混みではバッグを体の前に、スマートフォンは前ポケットに入れてください。
ブダペストはプラハやウィーンより安全ですか?
3都市とも米国の勧告で最も低いレベル1で、いちばんのリスクはどこも混んだ交通機関でのスリです。列車で3都市をまわるなら、ひとつの街で身につけた習慣がほかの2都市でもそのまま使えます。
いまブダペストに旅行しても安全ですか?
安全です。ハンガリーは米国務省の渡航勧告で最も低いレベルにあり、2026年4月15日に見直されています。英国も、軽犯罪に対する通常の注意を払うよう呼びかけているだけです。混んだトラム、駅、市場ではスマートフォンとバッグに気をつけ、正規のタクシーを使ってください。
事前予約で窓口の列を避ける


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