マーチャーシュ聖堂の料金・見学時間・塔の上り方|ブダペスト2026年版

最終更新: 2026-11-04·2 分で読めます
この記事の目次
  1. 行く前に知っておきたい物語
  2. 2度の王の結婚式
  3. この屋根の下で行われた戴冠式
  4. 「王のオルガン」
  5. ミサと音楽
  6. 聖堂への行き方
  7. ケーブルカーかバスか
  8. 地元の人のルート:16番バス
  9. 最初に目に入るもの:三位一体広場
  10. 左右非対称の建物
  11. 眠くならない歴史の話
  12. 中世の始まり(1246〜1247年)
  13. マーチャーシュ王の時代(15世紀)
  14. オスマン朝の150年(1541〜1686年)
  15. 壁の中の聖母像
  16. シュレクの大修復
  17. 内部の見どころ:入場料で見られるもの
  18. 東洋趣味の楽園
  19. 見逃したくない場所
  20. 見学の実用ガイド
  21. 料金と見学時間
  22. 見学を楽にするコツ
  23. 見学のルール
  24. 塔に上る価値はあるか
  25. 見学のあとに:王宮の丘で食事とお茶
  26. 老舗菓子店ルスヴルム(1827〜2025年)
  27. 王宮の丘できちんとしたハンガリー料理を
  28. 丘を下りて

ブダペストのマーチャーシュ聖堂の外観 写真:Eli Duke, CC BY-SA 2.0

マーチャーシュ聖堂(Mátyás-templom)は、入場料を払って王宮の丘を上る価値が十分にある教会です。ブダペストには壮麗な建物がいくらでもあり、漁夫の砦から屋根の写真を撮るだけで済ませたくなる気持ちもわかります。それでも中に入るべき理由ははっきりしています。

この聖堂は戴冠式を見届け、2度の王の結婚式を迎え、約150年間はモスクとして使われ、長い年月をかけて再建されました。そのすべてを経て、絵本の世界がそのまま形になったような姿になっています。

行く前に知っておきたい物語

2度の王の結婚式

マーチャーシュ王は2度結婚し、2度ともこの聖堂で式を挙げました。1463年5月1日にポジェブラディ家のカタリン、1476年12月にアラゴンのベアトリーチェと結婚しています。指輪をくわえたカラスを描いた王の紋章は、いまも塔の南西の壁に残っています。マーチャーシュ王は地下にも登場します。すぐ近くのウーリ通り(Úri utca)にあるブダ城の地下迷宮には、ハンガリー王の間があり、ドラキュラとして知られるヴラド公がここに幽閉されたという伝説を紹介しています。

この屋根の下で行われた戴冠式

1867年6月8日、オーストリア=ハンガリー二重帝国を生んだ妥協(アウスグライヒ)のあと、フランツ・ヨーゼフとエリザベート(シシィ)がここでハンガリー国王・王妃として戴冠しました。1916年12月30日にはカール4世とツィタが続き、これがハンガリー国王の最後の戴冠式になりました。

「王のオルガン」

フランツ・ヨーゼフは戴冠40周年を記念して新しいオルガンを寄贈し、いまも「王のオルガン」と呼ばれています。現在の5段鍵盤の楽器は1984年1月に完成しました。この聖堂と音楽の縁は深く、1867年に聖堂にあったオルガンは、その年に初演されたリスト・フェレンツの《戴冠ミサ》で演奏されました。

ミサと音楽

ここはまず、現役の教区教会です。ミサなどの典礼は観光の見学より優先され、見学時間がそれに合わせて変わります。聖堂の聖歌隊と管弦楽団から外部の楽団まで、宗教音楽のコンサートも1年を通じて開かれていて、プログラムは聖堂のウェブサイトに掲載されています。

聖堂への行き方

ケーブルカーかバスか

出発点はたいてい、地下鉄3路線が交わるデアーク・フェレンツ広場です。いちばんわかりやすいのは、セーチェニ鎖橋のたもとから丘を上る歴史あるケーブルカー、ブダ城ケーブルカー(英語)(Budavári Sikló)です。

乗っていて楽しい乗り物ですが、乗り場の行列が長くなることがあり、乗っている時間自体は短めです。当日、懐かしさより時間を優先したいなら、もっと速い上り方があります。無料で丘を上るエスカレーターとエレベーターはヴァールケルト・バザールのガイドで確認できます。

地元の人のルート:16番バス

坂を上らずに、王宮地区まで上る16番バスに乗る方法です。聖堂にいちばん近い停留所はBKKの乗換案内で確認してください。公共交通機関の1回券で乗れます。

安くて速く、塔に上る脚力も残せます。

王宮の丘に建つマーチャーシュ聖堂

最初に目に入るもの:三位一体広場

三位一体広場(Szentháromság tér)に出ると、まず目を奪われるのはゴシック建築ではなく屋根です。オレンジ、緑、白のダイヤ柄に並んだ、つやのあるジョルナイ(Zsolnay)陶器のタイルで覆われていて、中世の教会の屋根というより、色とりどりの竜のうろこのように見えます。

上から見たマーチャーシュ聖堂のダイヤ柄のジョルナイ陶器の屋根。淡い石の尖塔のあいだに三位一体広場の石畳が見える 写真:Mátyás-templom

「ここはほかとは違う」と、ひと目で伝えてくる大胆で楽しげな屋根です。

左右非対称の建物

建物そのものは、とがった塔が並ぶ心地よい非対称の姿です。性格のまったく違う2つの塔があります。

  • ベーラの塔:低くどっしりした塔で、多色のタイルの屋根をのせています
  • マーチャーシュの塔:繊細なゴシックのレース細工のように空へ伸びる、高さ80mの主塔です

聖堂の両脇には、真っ白でおとぎ話のような漁夫の砦と、ペストの流行が収まったことに感謝して建てられたバロック様式の記念碑、華やかな三位一体像が並んでいます。

眠くならない歴史の話

中世の始まり(1246〜1247年)

ヴェスプレーム(Veszprém)司教座聖堂参事会の1247年の証書に、建設中の教会として記録があります。そのため歴史家は創建を1246年か1247年としています。名前がわかる最初の主任司祭ケレスティーイ(Keresztély)は、1257年から務めました。

マーチャーシュ王の時代(15世紀)

聖堂の通称は、1458〜1490年に在位したハンガリー・ルネサンスを代表する王、マーチャーシュ1世(Corvin Mátyás)に由来します。王は生涯この聖堂と結びついていて、即位を感謝する荘厳なミサをここで行い、2人の妃との結婚式もこのヴォールト天井の下で挙げました。

オスマン朝の150年(1541〜1686年)

1541年にスレイマン1世がブダを占領すると、町の中心だったこの教会は町のおもなモスクになりました。キリスト教国の連合軍がブダを奪還した1686年9月2日まで、モスクとして使われました。

壁の中の聖母像

ここからは映画のような話です。1515年、ウラースロー2世は暗殺計画を逃れたことに感謝して、聖母像をこの教会に寄進しました。ブダペストで愛されている伝説には続きがあります。1686年の包囲戦で砲弾が壁の一部を崩すと、150年ほど壁に塗り込められていた奉納の聖母像が現れ、その姿が守備兵を動揺させたと伝えられています。この聖堂について、町の人が特に好んで語る話のひとつです。

シュレクの大修復

いま目にする見事な聖堂は、13世紀の建物がそのまま残ったものではありません。大部分は、1873年から修復を指揮した建築家シュレク・フリジェシュ(Schulek Frigyes)の仕事で、新しくなった聖堂は1896年8月15日に献堂されました。

シュレクは後の時代に加えられた部分を取り除き、かつてそうだったと考えたゴシックの姿で聖堂を建て直しました。名高いジョルナイ陶器の屋根タイルなど、自身の工夫も加えています。

では、本物と言えるのでしょうか。これは本物の19世紀ハンガリーの作品です。中世を丁寧に再現したロマン主義の建築で、まさにそこがこの聖堂を唯一無二にしています。シュレクは建物を修復しただけでなく、国の象徴をつくり上げました。

内部の見どころ:入場料で見られるもの

外観がおとぎ話なら、内部はふたを開けた宝箱です。扉をくぐると、色と模様の多さに圧倒されます。

広くて冷たく、音が響くゴシックの大聖堂とは違い、マーチャーシュ聖堂の内部は温かみがあり、こぢんまりとしていて、すみずみまで装飾されています。

東洋趣味の楽園

様式は、オリエンタリズムとロマン主義の歴史主義の組み合わせです。壁、柱、ヴォールト天井のすべてが、深い赤、豊かな金、鮮やかな青の幾何学模様と様式化された草花の模様で覆われています。

ハンガリーの歴史の教科書から抜き出した金色のページを壁一面に貼ったような空間で、東と西の交差点というハンガリーのあり方がそのまま表れています。19世紀の修復者たちはオスマン朝の記憶を消さず、その美術の影響をカトリックの教会に織り込み、きわめてハンガリーらしいものを生み出しました。

見逃したくない場所

  • ベーラ3世と妃アンナ・ド・シャティヨンの墓:1898年に三位一体礼拝堂へ改葬されました
  • 主祭壇の聖母像:2000年8月15日、教皇ヨハネ・パウロ2世が祝福したハンガリーの聖冠の複製で戴冠されました
  • 聖堂の博物館:教区が所蔵する教会美術を見せるため、1964年に開設されました
  • オルガンケース:シュレクが設計した1893年のネオ・ゴシック様式の彫刻ケースで、いまも現在の楽器を囲んでいます

マーチャーシュ聖堂の内陣。聖母像のある金色のネオ・ゴシックの主祭壇、背の高いステンドグラス、彩色された壁、赤い絨毯に沿って並ぶ木彫りの聖職者席 写真:Mátyás-templom

見学の実用ガイド

料金と見学時間

区分 聖堂の入場料 塔の入場料(別料金)
大人 3,400フォリント(約1,700円) 4,000フォリント(約2,000円)
学生・シニア 2,700フォリント(約1,300円) 3,300フォリント(約1,600円)
家族(大人2人と子ども) 9,500フォリント(約4,700円) なし
6歳未満 無料 無料

※料金はフォリントで、窓口ではフォリントで支払います。円換算は1フォリント=約0.49円(2026年11月3日のECB参考レート)で計算した目安です。レートは変動します。

聖堂と塔のチケットは別々に買います。オーディオガイドは単独で1,600フォリント(約780円)、聖堂のチケットとのセットなら大人5,000フォリント(約2,500円)、学生・シニア4,300フォリント(約2,100円)、家族券とのセットで11,100フォリント(約5,400円)です。オーディオガイドは聖堂の無料Wi-Fiにつないだ自分のスマートフォンで聞くので、充電しておいてください。家族券は大人2人とその子どもが対象で、子どもの人数は問いません。入口で身分証明書の提示を求められます。オンラインで買った聖堂のチケットは同じ年のうちならいつでも使えますが、塔のチケットは選んだ日付と時間枠に限られます。チケットは払い戻しできません。

見学時間:月〜金曜9:00〜17:00、土曜9:00〜12:15、日曜13:15〜17:00。 (典礼や国の公式訪問が優先されるため、時間が変わることがあります。当日の見学時間は聖堂のウェブサイトに掲載されます。)

見学を楽にするコツ

コツ1:典礼は観光より優先されます。行く日の朝に聖堂のウェブサイトを確認してください。

コツ2:見落としがちな聖堂の博物館の時間も取っておきましょう。

コツ3:塔の見学は時間枠制で、約10分の短いガイドが付きます。予約した時間の5分前には塔の入口に着いてください。遅れると時間の変更も払い戻しもできません。塔にはエレベーターもトイレもなく、強風、嵐、雷のときは閉まります。

見学のルール

服装:ひざと肩を隠してください(肩が出る服ならショールで覆えば大丈夫です)。仮装やウエディングドレスでの入場はできません。

撮影:写真撮影会や動画撮影には、事前に聖堂の許可と契約書への署名が必要です。

マナー:飲食、飲酒は禁止です。入口から5m以内は禁煙で、認定を受けた補助犬以外の動物は入れません。

料金、見学時間、チケットの条件、見学のルールは聖堂のチケットページと見学ルール、歴史は歴史のページとオルガンのページで、いずれも2026年10月6日に確認しました。

塔に上る価値はあるか

別料金で、鐘楼の197段を上れます。ジョルナイ陶器のタイルを間近で見られ、国会議事堂、ドナウ川、ペストの街並みを広く見渡せます。ガイドが見えているものを説明してくれます。

マーチャーシュ聖堂の高い位置から見た、ドナウ川の向こうの国会議事堂。手前に聖堂の尖塔の金色の十字架 写真:Mátyás-templom

結論:197段の階段と時間枠の予約が苦にならないなら、上ってください。ここでしか見られない眺めです。苦になるなら、隣の漁夫の砦のテラスからも同じドナウ川を広く見渡せます。

見学のあとに:王宮の丘で食事とお茶

老舗菓子店ルスヴルム(1827〜2025年)

ルスヴルム(Ruszwurm Cukrászda)は2025年8月に閉店しました。

ルスヴルムの閉店はIndex、2025年8月7日の記事により、2026年10月6日に確認しました。

王宮の丘できちんとしたハンガリー料理を

カフェ・ピエロ(Café Pierrot):フォルトゥナ通り(Fortuna utca)の中世の建物に入った、落ち着いたレストランです。洗練されたハンガリー料理と各国料理を出していて、聖堂のあとの静かな夕食に向いています。営業は水〜日曜の11:30〜23:00で、月曜と火曜は休みです。

カフェ・ピエロの住所と営業時間はzsidai.comの店舗ページで、2026年10月6日に確認しました。

丘を下りて

フリツィ・パパ(Frici Papa):川を渡ったペスト側の7区にある、飾り気のない地元の人気店です。パプリカをたっぷり使った濃いスープで、ハンガリー料理の柱のひとつ、ハラースレー(halászlé、漁師のスープ)が名物です。おしゃれな店ではありませんが、正真正銘の味です。

近くの菓子店:王宮の丘の近くなら、次の店が確実です。

アウグスト(Auguszt Cukrászda、ブダ側のフェーニ通り8番地):1870年までさかのぼる歴史を持つ、家族経営の菓子店です。マーチャーシュ聖堂から約10分で、地元の人に長く愛されています。インディアーネル(indiáner)やリゴー・ヤンチ(Rigó Jancsi)といった定番を選んでください。

ヒルトン・ブダペスト内のスターバックス:漁夫の砦のすぐ隣、ヒルトンの中にあるチェーンのカフェです。

歴史あるカフェをじっくり味わうなら、ヴェレシュマルティ広場のジェルボーか、豪華さで知られるニューヨーク・カフェへ足をのばしてください。教会をもうひとつ比べたいなら、聖イシュトヴァーン大聖堂が対照的です。

よくある質問

マーチャーシュ聖堂は入場料を払う価値がありますか?

あります。旅行中に教会をいくつも見たあとでも、色彩豊かな内装、模様で埋め尽くされたヴォールト天井、戴冠式の歴史がそろった内部は、ほかの教会とは違って見えます。

見学にはどのくらい時間がかかりますか?

聖堂と付属の博物館で60〜90分を見てください。塔に上る場合は、時間枠の待ちも含めて約45分を足しておくと安心です。

ミサに参加できますか?

できます。ミサは信徒のために行われていて、典礼は観光の見学より優先されます。見学時間が日によって変わるのはそのためです。観光ではなく祈りの場として参加し、当日の時間は聖堂のウェブサイトで確認してください。

聖イシュトヴァーン大聖堂とは何が違いますか?

マーチャーシュ聖堂は歴史が古く、こぢんまりとしていて色彩が鮮やかな、ネオ・ゴシック様式の戴冠式の教会です。聖イシュトヴァーン大聖堂は新古典主義様式の大きな司教座聖堂で、聖イシュトヴァーンのミイラ化した右手が納められています。

塔に上るのは大変ですか?

197段の階段で、塔にエレベーターはありません。ふつうに体を動かせる人なら上れます。足腰に不安がある人、高所恐怖症や閉所恐怖症の人は、隣の漁夫の砦から眺めるほうが楽です。

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