ウニクム・ハウス見学ガイド|料金・ツアー時間・試飲とツヴァック家の物語

最終更新: 2026-10-06·2 分で読めます
この記事の目次
  1. ツヴァック家の物語
  2. 名前の由来は皇帝のひとこと
  3. 名物ポスター『水の中の男』
  4. 戦争と国有化、そして一家の帰還
  5. ツアーの内容
  6. 映像
  7. 蒸留ホール「ウニクムの心臓部」
  8. セラー
  9. 試飲
  10. 博物館ギャラリー
  11. チケットと料金
  12. 営業時間とツアーの時間
  13. 予約
  14. 少人数グループ向けの脱出ゲーム「トレゾール・ティトカ」
  15. 行き方
  16. ツアーのあとに
  17. ダンダール温泉でひと風呂
  18. 近くで食事をするなら

ウニクム(Unicum)は40種類以上の薬草から造る薬草酒で、共産主義政権が蒸留所を国有化していたあいだ、ツヴァック家はそのレシピを国外で守り続けました。ウニクム・ハウスでは、いまもウニクムが詰まったオーク樽が並ぶ熟成セラーの中で、その味を試飲できます。

色が濃く複雑な苦みのあるこのお酒は、丸いボトルとともにハンガリーの人なら誰でも知っている国民的リキュールです。ツアーでは帝国、戦争、亡命、帰還という一家の物語をたどります。廃墟バーで友人に1杯すすめられ、あれは何だったのかと気になった人にはまさにうってつけです。味が気になる程度なら通常ツアーで十分、飲み比べが好きならリゼルヴァも味わえるプレミアムがおすすめです。

ウニクム・ハウスはツヴァック家の蒸留所と見学施設で、ブダペスト9区のダンダール通り1番地にあり、月〜土曜10:00〜18:00に開いています。通常ツアーは4,200フォリントでセラーでの試飲2杯、プレミアムは5,900フォリントで、リゼルヴァを含む5杯です。

ツアーは英語かハンガリー語で、日本語のツアーはありません。オーディオガイドも日本語はないので、英語のガイドの話は冒頭の映像と展示で補うつもりで参加すると楽です。

※円換算は1フォリント=約0.49円(2026年11月6日のECB参考レート)で計算した目安です。レートは変動します。

ツヴァック家の物語

名前の由来は皇帝のひとこと

伝説によれば、このお酒は1790年にハプスブルク家の宮廷医ツヴァック博士が考案し、皇帝ヨーゼフ2世が味わって「Das ist ein Unicum!(これは唯一無二だ)」と言ったそうです。一家自身もこれを伝説として紹介していて、この言葉がリキュールの名前の由来になりました。会社そのものは1840年にツヴァック・ヨージェフ(Zwack József)が創業し、1892年にドナウ川沿いのいまの場所へ移りました。ウニクムはいまもここで造られています。

名物ポスター『水の中の男』

ブダペストのあちこちでポスターや絵はがきになっている絵があります。「ヴィーゼシュエンベル(Vízesember)」、つまり「水の中の男」です。肩まで海につかったひげ面の遭難者が、ウニクムのボトルが自分のほうへ流れてくるのを見つける絵です。1909年にパッフル・ヴィクトル(Pachl Viktor)が描きました。もうだめかと思ったところへ、ようやく1本のボトルが流れてくるという構図で、ハンガリーらしいユーモアがよく表れています。

1909年のウニクムのポスター「水の中の男」。肩まで海につかったひげ面の男が、流れてくる丸いウニクムのボトルを目を見開いて見つめている ポスター:パッフル・ヴィクトル、1909年。ファイル:Zwack Sándor (Zwack Unicum Nyrt.)、CC BY-SA 4.0

戦争と国有化、そして一家の帰還

第二次世界大戦で蒸留所は廃墟になり、戦後は共産主義国家が会社を一家から取り上げました。それでもツヴァック家は、国有化しようのないもの、つまり本当のレシピだけは手放しませんでした。レシピはツヴァック・ヤーノシュ(Zwack János)とともに国外へ渡りました。冒頭の映像で語られる一家の物語は、レシピの脱出、兵士たちがセラーの樽で浮橋を作ろうとした話、そして国営工場が独自のウニクムを造っていた長い年月をたどります。

会社はおよそ45年間、一家の手を離れていました。そして1988年、5代目のツヴァック・ペーテル(Zwack Péter)が帰国し、ウンダーベルク家とともに蒸留所を買い戻しました。ペーテルは1992年から会長を務め、2012年に亡くなりました。いまは息子のシャーンドルが会長、娘のイザベラが取締役です。ウニクムは現在35か国以上に輸出されています。

ツアーの内容

映像

見学は、270度の没入型プロジェクションで始まります。約20分で、一家の歴史、転機となった出来事、有名な昔の広告を、戦前のブダペストの記録映像とともに見せてくれます。

蒸留ホール「ウニクムの心臓部」

続いてガイドが、銅の蒸留器が並ぶ昔の蒸留ホール「ウニクムの心臓部」へ案内します。ウニクムには複数の大陸から集めた40種類以上の薬草が使われ、レシピはいまも一家の固く守られた秘密です。

ウニクム・ハウスの昔の蒸留ホール。銅の蒸留器、Zwackと書かれた緑の柱、乾燥した薬草をのせた樽、薬草の瓶が並ぶ木の棚がれんがのヴォールト天井の下にある 写真:Unicum Ház

セラー

次に工場の地下に広がる2,500m²のセラーの迷路へ下ります。ウニクムが詰まったオーク樽の間を進みます。ウニクムは瓶詰め前に、ここで数か月熟成されます。空気はひんやりして木と薬草の香りがし、リゼルヴァの熟成が始まるのは、なかでも最も大きく古い、85年以上使われている樽です。

ウニクム・ハウスのセラー。吊りランプに照らされた大きなオーク樽の列の間に、タイル張りの通路がのびている 写真:Unicum Ház

試飲

試飲はセラーの中で行います。通常ツアーは2杯、プレミアムは5杯です。

  • ウニクム:元祖となるお酒で、アルコール度数40%。苦くて薬草の香りが強く、温かい余韻があります。
  • ウニクム・シルヴァ(Szilva、プラム):2012年に登場。乾燥プラムを敷いたオーク樽で熟成し、34.5%。丸くフルーティーで、ウニクムらしさも残っています。
  • ウニクム・バリスタ:アラビカ種のコーヒーエキスと蒸留酒を加え、オーク樽で熟成(プレミアムのみ)。
  • ウニクム・オレンジ・ビター(プレミアムのみ)。
  • ウニクム・リゼルヴァ:二段階熟成です。まず85年物の樽で熟成し、一家が「黒い蜂蜜」と呼ぶ風味をまといます。次にトカイにあるツヴァック・イザベラのドボゴー・ワイナリー(Dobogó)の樽で熟成し、丸くやわらかな余韻が加わります。40%で、ツヴァック社は氷を入れて飲むことをすすめています(プレミアムのみ)。

プレミアムでは、セラーでもとりわけ大切にされている一角、ウニクム・トレゾールXOの区画にも入れます。トレゾールXOはオーク樽で10年熟成したあと、フランスのワインスピリッツ樽でさらに数か月寝かせます。2013年ヴィンテージは3,200本しか詰められず、最初の200本がそこに展示されています。

白いZwack Unicumのトレーにのった3つの小さなウニクムのグラス。丸いウニクムのボトルと昔のツヴァックの広告カードが横にある 写真:Unicum Ház

博物館ギャラリー

セラーのあとは、博物館を自分のペースで見学します。無料のオーディオガイドは英語、フランス語、ドイツ語、ハンガリー語、イタリア語、ポーランド語、ロシア語です。中欧最大のミニチュアボトルのコレクションがあり、その数は17,000本を超えます。見学施設内はどこでも写真撮影ができます。

チケットと料金

チケットの選び方:興味はあるけれどお酒にそこまで詳しくないなら、映像、蒸留所、セラー、試飲2杯の通常ツアーで十分です。飲み比べが好きなら、差額1,700フォリント(約830円)でプレミアムにすると、5杯の試飲とトレゾールXOのセラーまで楽しめるので、差額を払う価値は十分あります。10代は試飲なしの18歳未満券で参加でき、12歳未満は無料です。

チケット 内容 料金 円換算
通常 映像、ガイド付きの蒸留所とセラー、オーディオガイド付き博物館、試飲2杯(ウニクム、プラム) 4,200フォリント 約2,000円
プレミアム 通常の内容に加え試飲5杯(ウニクム、プラム、バリスタ、オレンジ・ビター、リゼルヴァ)とトレゾールXOの区画 5,900フォリント 約2,900円
シニア 通常と同じ 3,700フォリント 約1,800円
18歳未満 映像、セラー見学、博物館、試飲なし 2,100フォリント 約1,000円
12歳未満 18歳未満券と同じ 無料 無料
15人以上の団体 1人あたり通常3,700フォリント、プレミアム5,900フォリント。2日前までにメールで予約

ブダペストカードがあれば正規料金のチケットが20%引き、ハンガリーカードの割引は通常ツアーに適用されます。カードの元が取れるかはブダペストカードの節約ガイドで計算できます。チケットは購入から1年間有効で、ギフトチケットは博物館のチケット窓口で買えます。

営業時間とツアーの時間

ウニクム・ハウス:月〜土曜10:00〜18:00、日曜休館です。営業時間は変わることがあるので、行く前にチケットショップのカレンダーで確認してください。ショップではツヴァック社の全製品を販売していて、見学チケットなしでも入れます。

英語ツアー 月〜金曜 土曜
通常 11:30、15:00 10:45
プレミアム 13:00 13:45

チケットショップの各枠には言語とツアーの種類が表示されていて、ハンガリー語のツアーはほかの時間にも1日を通して行われています。通常ツアーのガイド付き部分は約1時間(映像20分、蒸留所とセラー約40分)、プレミアムは約1時間半です。博物館ギャラリーには時間制限がありません。

予約

ウニクム・ハウスが受け付けるのは、館内の窓口かオンラインのzwack.jegy.euで買ったチケットだけです。ガイドツアーは定員があり、当日の空きは保証されないので、事前に予約してください。窓口では現金、銀行カード、SZÉPカードで払えます。電話(+36 1 476 2383)やメール(muzeum@zwackunicum.hu)でも予約できます。

館からのお願いのなかで、特に守りたいのがこれです。40%のお酒を試飲するので、ツアーの前に何か食べておいてください。クロークがあり、館内には軽食の自動販売機もあります。

少人数グループ向けの脱出ゲーム「トレゾール・ティトカ」

「トレゾール・ティトカ(Trezor Titka、トレゾールの秘密)」は、少人数のグループがトレゾールとリゼルヴァのセラーで謎解き、五感を使う課題、特別な試飲に挑むプログラムです。映像、短い博物館見学、試飲付きのセラーを含めて約2時間で、6人までのグループにおすすめされています。料金は人数にかかわらず1グループ12,000フォリント(約5,800円)、これに1人ずつプレミアム券(5,900フォリント)が必要です。

料金、チケット、ツアー時間、営業時間、見学のルールはウニクム・ハウスの案内とチケットのページ、よくある質問、窓口チケットのページ、トレゾール・ティトカのページ、チケットショップから。一家の物語はツヴァック家のページ、映像のページ、ツヴァックの歴史のページ、プログラムのページ、ハンガリー語のよくある質問から。製品の詳細はツヴァック社のウニクム・リゼルヴァ、ウニクム・シルヴァ、ウニクム・バリスタのページから。いずれも2026年10月6日に確認。

行き方

ウニクム・ハウスがあるのは、ペストの古い工業地帯の中心フェレンツヴァーロシュです。れんが造りの蒸留所は1892年からこの場所にあります。

トラムで:トラム2番と24番のハッレル通り/ショロクシャーリ通り(Haller utca / Soroksári út)停留所で降りれば、入口まで少し歩くだけです。ルートはBKKの乗換案内で調べられます。

ボラーロシュ広場から徒歩で:ペテーフィ橋のペスト側のたもとにあるボラーロシュ広場(Boráros tér)から、歩いて約5分です。

車で:ダンダール通りと周辺の道路に最長3時間駐車できます。路上駐車は平日8:00〜18:00が有料です。ただツアーの最後は試飲なので、車は置いてくるほうがいいでしょう。

ツアーのあとに

ダンダール温泉でひと風呂

数軒先のダンダール通り3番地にあるのがダンダール温泉です。屋内の温泉プールと38℃の屋外プールがある、気さくな地元の温泉です。薬草酒の試飲のあとに温かいお湯につかれば、午後をきれいに締めくくれます。温泉券は平日3,500フォリント(約1,700円)、週末4,000フォリント(約1,900円)です。屋外プールには1,000フォリント(約490円)の追加料金が必要で、温泉プール、サウナ、屋外プールのすべてに入れるコンプレックス券なら平日4,500フォリント(約2,200円)、週末5,000フォリント(約2,400円)です。14歳未満は入れません。日本の温泉とは違って水着が必要で、プールは男女一緒です。

近くで食事をするなら

40%のリキュールを最大5杯試飲したあとは、しっかり食事をとるのが賢明です。

  • ブラック・キャブ・バーガー(Black Cab Burger、Mester utca 46):メシュテル通りで15年以上バーガーを作り続けている地元の人気店で、ポテトは店でカットして二度揚げしています。毎日11:30〜22:00(ラストオーダー21:50)、現金もカードも使えます。大食いの人には牛肉600gの「ギガ・ダブルデッカー」が7,100フォリント(約3,400円)です。
  • キフーズデ:地元の会社員と同じようなランチを食べたいなら、ショロクシャーリ通りやメシュテル通りの周辺で小さな食堂キフーズデ(kifőzde)を探してください。煮込み、シュニッツェル、ピクルスと、素朴でお腹いっぱいになる料理です。メニューはハンガリー語だけのことが多いので、隣のテーブルの料理を指さして頼むと確実です。

ブダペストカードを持っているなら、博物館の正規料金チケットが20%引きになることをお忘れなく。

温泉の料金(2026年1月7日から有効)と年齢制限はダンダール温泉の料金ページ、ブラック・キャブ・バーガーの営業時間、支払い方法、メニューはblackcabburger.hu、駐車場とトラム停留所はウニクム・ハウスのよくある質問から。いずれも2026年10月6日に確認。

エゲーシェーゲドレ(Egészségedre)。ハンガリー語で「乾杯、あなたの健康に」です。

よくある質問

ウニクムはハンガリー以外でも買えますか?

買えます。ウニクムは35か国以上に輸出されています。ウニクム・ハウスのショップでは全種類がそろい、見学チケットがなくてもショップだけ利用できます。

ウニクムは薬なのですか?

もとは食後酒として生まれました。伝説では、宮廷医ツヴァック博士が1790年に皇帝ヨーゼフ2世にふるまったとされています。いまは40種類以上の薬草から造るアルコール度数40%のリキュールで、おいしい食事のあとにゆっくり味わうのがいちばんです。

どうやって飲めばいいですか?

少しずつゆっくり味わってください。ツヴァック社はリゼルヴァを氷を入れて飲むことをすすめています。

子どももツアーに参加できますか?

参加できます。12歳未満は無料、18歳未満は試飲なしのツアーで2,100フォリント(約1,000円)です。小学校のクラス単位の団体は受け付けていません。

ウニクム・ハウスは車いすで見学できますか?

できません。見学施設もセラーも段差なしでは回れません。ベビーカーは見学中、クロークに預けられます。

ブダペストカードで割引はありますか?

あります。正規料金のチケットが20%引きになります。ハンガリーカードの割引は通常ツアーにのみ適用されます。

事前予約で窓口の列を避ける

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