ブダペストのシュニッツェルおすすめ3軒|ラーントット・フーシュの料金と頼み方

最終更新: 2026-09-24·2 分で読めます
この記事の目次
  1. とんかつとの違いを知ると、ハンガリーのカツがわかる
  2. 1. ブヤ・ディスノーク:市場で揚げる巨大カツ
  3. 店の雰囲気:おしゃれなフードホールではなく、本物の市場
  4. 名物のシュニッツェルとスパークリングワイン
  5. ブヤ・ディスノークの基本情報
  6. 2. プレーフ・チャールダ:量り売りの伝説の食堂
  7. 街はずれまで足をのばす
  8. 雰囲気:飾り気がなく、コーラも置かない食堂
  9. 巨大なシュニッツェル
  10. プレーフ・チャールダの基本情報
  11. 3. コラージュ:宮殿で食べる正統派ウィーナー・シュニッツェル
  12. 市場から宮殿へ
  13. 正統派のウィーナー・シュニッツェル
  14. コラージュの基本情報
  15. 3軒をどう選ぶか
  16. 3軒の比較表

ハンガリーでラーントット・フーシュ(rántott hús)と呼ばれるカツレツは、たいてい仔牛ではなく、薄くたたいた豚ロースです。本物のウィーナー・シュニッツェルは法律上仔牛肉と決まっているので、両者は別の料理です。ハンガリーの人に「ほっとする料理」を聞けば、1分もしないうちにこの名前が出てきます。日曜の昼食、結婚式のメニュー、学校給食に並び、どの家にも「誰が作るのがいちばんか」という持論があります。

白い皿に盛られた、きつね色に揚がった豚のカツレツ2枚とフライドポテトと千切りレタス。ハンガリーの定番ラーントット・フーシュ

写真:Christo、CC BY-SA 4.0。ポテトを添えたラーントット・フーシュ。撮影地はヴィシェグラードの食堂で、この記事で紹介するブダペストの店ではありません。

ブダペストでは、まったく性格の違う3軒でその全体像がつかめます。ブダ側の市場で2人分の大きさの豚カツを揚げるカウンター、アンソニー・ボーデインが訪れた15区の飾り気のない食堂、そしてフォーシーズンズホテル・グレシャムパレスのブラッスリーで出す仔牛の正統派です。最初の2軒は予約なしで、3軒目は夕食か日曜ブランチなら予約してください。いちばん気をつけたいのは曜日で、市場の店は昼だけ、プレーフ・チャールダは日・月曜が休みです。

※円換算は1フォリント=約0.49円(2026年11月6日のECB参考レート)で計算した目安です。レートは変動します。

とんかつとの違いを知ると、ハンガリーのカツがわかる

ラーントット・フーシュは、ハンガリーの人にとって心のよりどころともいえる料理です。結婚式にもお葬式にも、学校のお昼にもドライブ旅行にも、近くにはいつもカツレツがあります。ハンガリーの人にとって、シュニッツェルはただの料理ではなく、家族の味そのものです。

衣をつけて揚げるカツレツには、国ごとにさまざまな種類があります。オーストリアが守っているのがウィーナー・シュニッツェルで、法律上仔牛肉でなければなりません。日本のとんかつは厚い豚肉をふんわりしたパン粉で包み、肉汁あふれる肉が主役です。ハンガリーのラーントット・フーシュはたいてい豚ロースを薄くたたき、細かいパン粉(モルジャ、morzsa)をまとわせます。衣と肉が同じくらいの主役です。その店がどの流儀なのかを知っておくと、皿の上に何が来るか予想がつきます。

日本から来た人がいちばん驚くのは、薄さと大きさです。厚みで勝負するとんかつとは逆に、皿からはみ出す面積で勝負します。ソースはかけず、レモンと付け合わせで食べるのが基本です。

1. ブヤ・ディスノーク:市場で揚げる巨大カツ

店の雰囲気:おしゃれなフードホールではなく、本物の市場

ブヤ・ディスノーク(Buja Disznó(k))は、ブダ側のフェーニ通り市場(Fény utcai Piac)の4階(現地の3階)にあります。演出されたフードホールではなく、地元の人が買い物をする現役の市場です。肉屋が通路越しに声をかけ、買い物客がパプリカを品定めし、野菜やハムの匂いに揚げ物の香りが混じります。ハンガリーの人が「庶民の料理」と考えるこの一皿には、ぴったりの舞台です。

経歴も確かです。シェフのビーロー・ラヨシュ(Bíró Lajos)が2015年秋、ダウンタウンの市場ベルヴァーロシ市場(Belvárosi Piac)に1号店を開き、レシピはそのまま受け継がれています。

名物のシュニッツェルとスパークリングワイン

店名は「欲張りな豚(たち)」という意味で、豚肉を全面に押し出したビーローのメニューへの遊び心です。カウンターで注文し、相席のテーブルに座って待ちます。

主役はずばり「A rántotthús」(ザ・カツ)です。約450g(45dkg)の豚ロースがトレーからはみ出しそうな一皿で、たいていクリーミーなポテトサラダ(krumplisaláta)を添えます。店ではハンガリー産スパークリングワインのミニボトルを合わせるのをすすめていて、辛口の泡の酸味は脂ののった豚カツと定番の組み合わせです。

話題になるのは衣です。オーストリア、ハンガリー、日本のパン粉、そして非公開の1種類を合わせた4種のパン粉を使い、肉は手で薄くたたきます。衣の割合をできるだけ大きくするのがハンガリー流で、厚い豚肉そのものを味わうとんかつとは正反対です。

いまの料金

  • シュニッツェル:ブダ店のメニューでは45dkgのラーントット・フーシュが5,190フォリント(約2,500円)です。
  • 付け合わせ:ポテトサラダ、ビーツのサラダ、フライドポテト、ピクルス、キュウリのサラダはどれも1人前1,380フォリント(約670円)です。
  • スパークリングワイン:店が公開しているメニューは料理だけなので、何があるかはカウンターで聞いてください。

変わったものを試したいなら、ブダ店のメニューで内臓料理の枠にあるのがラーントット・カチャマーイ(rántott kacsamáj)、ガーリックマヨネーズを添えた鴨レバーのフライです。

出典:ブヤ・ディスノーク ブダ店メニュー、店舗ページ、ラーントット・フーシュのページ。2026年9月24日に確認。

ブヤ・ディスノークの基本情報

場所:Fény utcai Piac, Lövőház utca 12, 4階(現地の3階)13番, Budapest 1024。セール・カールマーン広場から歩いてすぐです。

営業時間:市場の店舗は昼の店で、月〜土曜10:00〜16:00です。夕食はありません。昼のピーク(12:00〜13:30)の少し前か後に行けば、ゆったり席が取れます。

頼むもの・頼まないもの:45dkgはほぼ半キロの豚肉で、店自身も2人で分ける量として出しています。シュニッツェル1枚、付け合わせ2品、フォーク2本がいちばん賢い頼み方です。1皿目を見るまで2皿目は頼まないでください。残りは持ち帰り容器(350フォリント、約170円)に入れてもらえます。

予約:不要です。カウンター注文の店です。

ウェブサイト:Buja Disznó(k)

ほかの店舗:同じシュニッツェルを、もっと長い営業時間で出しています。

出典:ブヤ・ディスノークの店舗ページ(Liget、Hello Buda、Gozsdu、Szigliget)。2026年9月24日に確認。

近くで:フェーニ通り市場のほかの売り場をのぞいたり、隣のマムート・モール1・2で買い物をしたり、市内各地への交通の起点セール・カールマーン広場へ出たりできます。

2. プレーフ・チャールダ:量り売りの伝説の食堂

街はずれまで足をのばす

プレーフ・チャールダ(Pléh Csárda)は15区にあります。ペストのはずれの労働者の街で、観光客はほとんど来ません。店名は「ブリキの居酒屋」という意味で、店は誇らしげに「バードグ・グンデル(Bádog Gundel)」、つまり「ブリキのグンデル」を名乗っています。ブダペストでいちばん豪華で歴史のある高級レストラン、グンデルへのしゃれです。

知名度は折り紙つきです。故アンソニー・ボーデインがCNNの番組でブダペストを訪れたときにここで食事をし、この地味な市場の食堂は区の外のはるか遠くまで知られるようになりました。

雰囲気:飾り気がなく、コーラも置かない食堂

コロジュヴァール通り(Kolozsvár utca)の市場にある小さな気取らない食堂です。揚げ油の匂いがただようので、おしゃれな服は避けたほうが無難です。

店内はプラスチックのテーブルで、サービスは速くて無駄がありません。店のルールが堂々と貼り出されています。

  • 「ハーフサイズはありません。ふざけないで。メルセデスの販売店で車を半分くれますか?」
  • 「コーラはありません。自家製シロップがあります。」
  • 「チップはいりません。渡そうとしても受け取りません。」

自分たちのスタイルに自信を持っていて、その潔さがこの店の大きな魅力です。

巨大なシュニッツェル

豚のシュニッツェルは重さで売られ、量の多さで知られています。皿の縁からはみ出すカツです。衣が主役で量もたっぷりという、シュニッツェルのなかでも豪快さの極みで、厚くジューシーなとんかつとは対極にあります。1回で食べきる人はまずいません。残りはセーギェン・ザチコー(szégyen zacskó)、「恥の袋」に入れて持ち帰り、ハンガリーではむしろ勲章のように扱われます。

料金の目安:ラーントット・フーシュとコルドン・ブルーはキロ単位で売っていますが、キロあたりの値段は公開していません。その日の金額はカウンターのはかりでわかります。1回の注文で2食分以上になると考えてください。

出典:Pléh Csárda。2026年9月24日に確認。

プレーフ・チャールダの基本情報

場所:Pléh Csárda, Kolozsvár utca 48, Budapest 1155。15区のコロジュヴァール通りの市場の中です。電話:+36 30 335 0300。

営業時間:火〜金曜7:00〜19:00、土曜7:00〜15:00。日・月曜定休なので、遠くまで出かけたのに休みだったという失敗だけは避けてください。8月後半には夏休みもあり(今年は8月16日〜31日でした)、晩夏に行くならウェブサイトを確認してください。

頼むもの・頼まないもの:もちろんラーントット・フーシュ、チーズ入りがよければコルドン・ブルーです。飲み物は自家製のラズベリーシロップで、コーラはありません。ハーフサイズは頼まないでください。店のルールではっきり断っています。

知っておくと便利:チップは置かないでください。受け取りません。また、ここは食事そのものを目的に出かける店です。おなかをすかせて行き、飾り気のない空間を楽しみ、セーギェン・ザチコーを持ち帰るつもりで予定を立ててください。

予約:予約なしで入ります。予約帳のあるレストランではなく、市場の食堂です。

ウェブサイト:Pléh Csárda

近くで:周辺の観光より、食事そのものが目的です。いちばんのおみやげは、翌日の昼と夜になる持ち帰りのカツです。

3. コラージュ:宮殿で食べる正統派ウィーナー・シュニッツェル

市場から宮殿へ

プレーフ・チャールダとは打って変わって、コラージュ(Kollázs)は少しおしゃれをして出かけたい優雅な店です。市内でも指折りに美しいアール・ヌーヴォー建築、フォーシーズンズホテル・グレシャムパレスの中にあります。

コラージュ・ブラッスリー&バーは、セーチェニ鎖橋を望むブラッスリーです。店内には生花が飾られ、テーブルクロスはぱりっと整い、窓からはドナウ川が見えます。

正統派のウィーナー・シュニッツェル

本物を食べるならここです。オーストリアの決まりでは「ウィーナー・シュニッツェル」は仔牛で作らなければならず、豚で作ればおいしくても別の料理です。

コラージュのものはウィーンの古典どおりです。

  • 薄くてやわらかい仔牛肉。
  • 肉から浮き上がってきつね色に波打つスフレ状の衣。たっぷりの油で正しく揚げたウィーナー・シュニッツェルの証です。
  • 付け合わせは最小限:レモンと、フレンチドレッシングのシュクリーヌ(小さなロメインレタス)のサラダ。

ブヤ・ディスノークとプレーフ・チャールダの皿が豪快さで魅せるのに対し、こちらは繊細さと上品さで魅せる一皿です。

お会計:ウィーナー・シュニッツェルはシュクリーヌのサラダ付きでメニューに15,700フォリント(約7,600円)とあり、会計に15%のサービス料が加わります。決して安くはありませんが、料理だけでなくフォーシーズンズという空間の代金も含まれていると考えてください。

出典:コラージュのメニュー。2026年9月24日に確認。

コラージュの基本情報

場所:Kollázs Brasserie & Bar, Four Seasons Hotel Gresham Palace, Széchenyi István tér 5-6(Zrínyi utcaの角), Budapest 1051

営業時間:ランチ12:00〜18:00、ディナー18:00〜22:00(金・土曜は22:30まで)。シュニッツェルはランチとディナーのメニューにあり、日曜ブランチのアラカルトの定番にも入っています。同じシュニッツェルと同じ鎖橋の光を、ずっと気楽に楽しむならランチです。

予約:夕食と日曜ブランチは予約してください。橋に面した窓際の席がほしいなら早めの予約がおすすめです。予約はreservations@kollazs.huか+36 30 498 5816で受け付けています。

頼むもの:ウィーナー・シュニッツェルです。ほかのメニューはお好みで選べばいいですが、この店に来たならまずこの一皿です。

知っておくと便利:15%のサービス料はすでに会計に入っているので、チップを足す前に明細を確認してください。チップの考え方はハンガリーのチップガイドにまとめています。5歳未満は無料で、ランチとディナーには子ども向けメニューがあります。

ウェブサイト:Kollázs Brasserie & Bar

出典:コラージュの営業時間と所在地。2026年9月24日に確認。

近くで:ブダペストのど真ん中です。鎖橋を歩いて渡り、ブダ城(ブダ王宮)に上って眺めを楽しむか、歩いてすぐの聖イシュトヴァーン大聖堂へ足をのばすのもおすすめです。

3軒をどう選ぶか

ハンガリーのラーントット・フーシュと日本のとんかつは、同じ揚げ物でも目指すものがまったく違います。前者はおなかを満たし心を温める気前のいい家庭の味で、後者は技を突き詰めた料理です。どちらにもそれぞれのよさがあり、ブダペストでは前者をさまざまなスタイルで味わえます。

  • ブヤ・ディスノークは庶民の味の代表で、大きく食べごたえのある一皿をスパークリングワインと一緒に楽しめます。
  • プレーフ・チャールダは型破りな伝説の店で、とにかく量の多さが圧巻です。
  • コラージュは洗練された正統派で、スフレ状の衣の上品な仕上がりから、控えめな一皿にも豪快な一皿に負けない魅力があることがわかります。

どれか1軒がいちばんというわけではありません。3軒それぞれが、シュニッツェルのまったく違う魅力を見せてくれます。ハンガリーの定番料理をもっと知りたい人は、グヤーシュ、ペルケルト、パプリカーシュの違いもどうぞ。

3軒の比較表

ブヤ・ディスノーク プレーフ・チャールダ コラージュ
雰囲気 にぎやかで本物の市場の食堂 飾り気のない伝説の市場食堂 アール・ヌーヴォーの宮殿にある優雅なブラッスリー
シュニッツェル 巨大な豚ロース(sertéskaraj)、約45dkg 特大の豚のシュニッツェルかコルドン・ブルー、キロ単位 正統派ウィーナー・シュニッツェル(仔牛)
料金 5,190フォリント(約2,500円) 量り売り、カウンターで確認 15,700フォリント(約7,600円)+サービス料15%
おすすめの使い方 気取らない上質なランチ。1枚を2人で 何年も語り草になる大盛り体験。日・月曜は不可 特別な日を祝う、洗練された古典の食事

飲み物に添えるなら、白かロゼのワインを炭酸水で割るフレッチが地元の定番です。

よくある質問

ウィーナー・シュニッツェルとハンガリーのラーントット・フーシュの違いは何ですか?

ひと言でいえば「仔牛」と「衣をつけて揚げた肉」の違いです。ウィーナー・シュニッツェルは法律で守られた名称で、仔牛肉でなければなりません。ラーントット・フーシュはハンガリーでの総称で、いちばん多いのは豚ロース(sertéskaraj)ですが、鶏肉(csirke)や、チーズを揚げたラーントット・シャイト(rántott sajt)もあります。

ハンガリーで本場らしいのは豚と仔牛のどちらですか?

どちらも本場の味で、系譜が違うだけです。仔牛はオーストリア・ハンガリー帝国の宮廷の流れで、高級店で見かけます。豚は誰もが食べる日常の定番で、ハンガリーの家庭料理の中心です。

ハンガリーの人はシュニッツェルと一緒に何を飲みますか?

ビールはいつでも合います。白かロゼのワインを炭酸水で割ったフレッチ(fröccs)は、揚げ物の重さをすっきり流してくれます。少し気分を上げたいなら辛口のハンガリー産スパークリングワインもよく合い、ブヤ・ディスノークでもすすめられます。

予約は必要ですか?

コラージュは夕食と日曜ブランチなら予約してください。メールか電話で受け付けています。ブヤ・ディスノークはカウンターで注文する店なので不要で、昼のピークを外して行けば大丈夫です。プレーフ・チャールダも予約なしで、火〜土曜に入れます。

食べ残しを持ち帰ってもいいですか?

まったく問題ありません。プレーフ・チャールダとブヤ・ディスノークでは持ち帰りがごく普通で、残りを入れる袋は「セーギェン・ザチコー(szégyen zacskó、恥の袋)」と呼ばれています。ブヤ・ディスノークの持ち帰り容器は350フォリント(約170円)です。コラージュでは頼む人は少なめですが、食べきれなければ頼んでかまいません。

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