ブダペストの子ども鉄道とチェアリフト|ブダの丘を一周する半日ルート
この記事の目次
1948年から、ブダペストの森の鉄道で切符を確かめに来る車掌は小学生です。子ども鉄道(Széchenyi-hegyi Gyermekvasút)では、いまも子どもたちが切符を売り、ポイントを切り替え、列車を送り出しています。ブダの丘のブナ林を抜ける全長11.7kmの狭軌鉄道で、子どもの合図で列車が発車する様子を見るだけでも、半日かけて郊外へ足を延ばしたくなります。
おすすめは一周ルートにすることです。登山鉄道でシュヴァーブ山(Svábhegy)の邸宅街を上り、子どもが乗務する列車で尾根を走り、ヤーノシュ山(János-hegy)の森を少し歩き、最後は屋根のないチェアリフト「リベゲー(Libegő)」で、街を正面に見ながら下ります。夏は市内よりはっきり涼しく、秋はブナ林が色づきます。午前か午後のどちらかで回れて夕食には街に戻れるので、家族連れ、鉄道好き、本格的なハイキングなしで緑と眺めを楽しみたい人に向いています。月曜だけは避けてください。学期中の月曜は列車が走らず、チェアリフトにも月曜の点検日があります。
料金の目安は、大人の乗車が1,000フォリント(約490円)、子どもが500フォリント(約240円)で、一周の合計は1人5,500フォリント(約2,700円)です。11月から1月のチェアリフトは15:30に終わります。
※円換算は1フォリント=約0.49円(2026年11月6日のECB参考レート)で計算した目安です。支払いは窓口、券売機、車内でフォリント建てです。レートは変動します。

基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 子ども鉄道 | セーチェニ山駅〜ヒューヴェシュヴェルジ駅、11.7km、端から端まで40〜50分。MÁVが運営し、乗務員は子ども |
| 鉄道の運賃 | 大人1,000フォリント(約490円)、子ども(6〜18歳)500フォリント(約240円)、6歳未満無料、ファミリー1日券5,000フォリント(約2,500円) |
| 支払い | 車内はフォリントの現金。ヒューヴェシュヴェルジ駅とセーチェニ山駅の窓口はカード可 |
| 登山鉄道60番 | ヴァーロシュマヨル〜セーチェニ山、4km弱、標高差315m、BKKの通常の切符 |
| チェアリフト「リベゲー」 | 1,040m、標高差262m、約15分。大人片道3,000フォリント(約1,500円)、2回券(往復にも可)4,000フォリント(約2,000円)。3〜14歳の子ども1,000/1,500フォリント(約490円/約740円)、15〜25歳の学生1,500/2,500フォリント(約740円/約1,200円) |
| 避けたい曜日 | 月曜。学期中の月曜は列車が運休、偶数週の月曜はチェアリフトが点検 |
| エルジェーベト展望台 | 長期の改修で閉鎖中。鉄道とチェアリフトは通常どおり |
| 所要時間 | 半日 |
一周ルートの順番
- セール・カールマーン広場からヴァーロシュマヨルへ。 トラム56、59、61番でひと駅ほど乗り、ヴァーロシュマヨル(Városmajor)で降ります。登山鉄道の下の終点は公園のすぐ横です。
- 登山鉄道60番でセーチェニ山へ。 ブダペストのラック式登山鉄道は、4km足らずでシュヴァーブ山の邸宅街を315m上ります。BKKの通常路線なので普通の切符で乗れ、1年中、早朝から夜遅くまで運行しています。
- 子ども鉄道でセーチェニ山駅からヤーノシュ山駅へ。 狭軌鉄道の終点は、登山鉄道の上の駅から数歩のところです。ノルマファ(Normafa)、チッレベールツ(Csillebérc)、ヴィラーグヴェルジ(Virágvölgy)を過ぎてヤーノシュ山駅まで乗ります。
- ヤーノシュ山を歩いて越える。 ヤーノシュ山駅からは、ところどころ階段のある急な森の小道を800m上ると、チェアリフトの上の乗り場に着きます。楽に行きたいなら、ひとつ手前のヴィラーグヴェルジ駅で降り、ほぼ舗装されていて段差のない道を1.4km歩いてチェアリフトへ向かうのがおすすめです。
- リベゲーでズグリゲトへ下る。 チェアリフトの上の乗り場、ハールマシュクート峠(Hármaskút-tető)には軽食スタンド、トイレ、森の遊び場があります。下りは屋根のない2人乗りのいすで1,040m、約15分です。
- 291番バスで街へ戻る。 下の乗り場のすぐ前から出ていて、西駅(ニュガティ駅)まで28分です。
逆回りでも回れますが、街を正面に見られるのは下りのチェアリフトなので、リベゲーは最後に取っておくといいでしょう。
列車に乗ったままがいいなら、子ども鉄道で終点のヒューヴェシュヴェルジ(Hűvösvölgy)まで行く手もあります。そこからトラム56、56A、61番で市内に戻れます。

1日の費用
区間ごとに別の切符が必要です。BKKの1回券は1台の車両に1回乗れるだけで乗り換えはできないので、トラムと登山鉄道で2枚になります。
| 区間 | 切符 | 大人 | 子ども |
|---|---|---|---|
| トラムでヴァーロシュマヨルへ | BKK1回券 | 500フォリント(約240円) | BKK運賃 |
| 登山鉄道60番 | BKK1回券 | 500フォリント(約240円) | BKK運賃 |
| 子ども鉄道 | 片道、距離に関係なし | 1,000フォリント(約490円) | 500フォリント(約240円)、6〜18歳 |
| リベゲー、下りの片道 | チェアリフト券 | 3,000フォリント(約1,500円) | 1,000フォリント(約490円)、3〜14歳 |
| 291番バスで西駅へ | BKK1回券 | 500フォリント(約240円) | BKK運賃 |
| 大人1人の合計 | 5,500フォリント(約2,700円) |
その日にほかの移動予定がなければ、BKK1回券3枚(1,500フォリント、約740円)のほうが24時間乗車券(2,750フォリント、約1,300円)より安くすみます。ブダペストカードがあればチェアリフトが往復とも無料になり、大人の合計から3,000フォリント(約1,500円)減ります。BKKの切符をスマートフォンで買う方法はBudapestGOアプリのガイドで紹介していて、アプリではチェアリフトの切符も買えます。
出典:子ども鉄道の運賃、BKV、ズグリゲト・チェアリフトの営業時間と運賃、BKV、チェアリフトでのブダペストカード、BKKの運賃、BKK1回券の規則。いずれも2026年10月17日に確認。
子どもたちが動かす鉄道
ほかの鉄道と同じように、ここにも切符売り場、信号、ポイント、時刻表があります。違うのは、そこで働いているのが小学生だということです。4年生から6年生で応募し、毎週の講習を修了すると、大人の監督のもとで出札係、車掌、信号係、駅員として勤務します。路線は1948年に開業し、MÁVが当初から運営しています。運営会社は、子どもが運行と出札の業務を担う鉄道として世界最長だとしています。
この鉄道の主役は乗務員です。小さな車掌が真剣そのものの顔で切符を確かめ、駅の運転係はユーロスターでも送り出すかのように合図の円板を掲げます。スリルを味わう乗り物ではなく、古い客車に揺られながら両側の森やときおり見える街を眺める、のんびりと懐かしい鉄道です。家族連れと鉄道好きにはたまらない路線で、刺激がほしい人にはむしろチェアリフトのほうが向いています。


フォリントの小額紙幣があると安心です。 車内は現金のみで、カードが使えるのは両端の終点の窓口だけです。駅舎の改修中のセープユハースネー(Szépjuhászné)駅では切符の販売が休止していて、乗客は車内で買います。
| 切符 | 料金 |
|---|---|
| 大人片道、距離に関係なし | 1,000フォリント(約490円) |
| 大人2回券(往復、または途中下車1回) | 1,800フォリント(約880円) |
| 子ども片道、6〜18歳 | 500フォリント(約240円) |
| 子ども2回券 | 900フォリント(約440円) |
| ファミリー1日券、大人2人+子ども3人または大人1人+子ども4人 | 5,000フォリント(約2,500円) |
| 保存列車の追加料金 | 大人400フォリント(約200円)、子ども200フォリント(約100円) |
| 6歳未満 | 無料 |
片道券では途中下車ができません。ノルマファで降りてレーテシュを食べ、また乗るつもりなら2回券を買ってください。蒸気機関車と昔のディーゼル列車は特定の日に走り、時刻表に印があります。2026年10月は、18日の午前と24日・25日に蒸気機関車が予定されていました。
出典:子ども鉄道のトップページ、時刻表カレンダー、運賃、乗務員講習のページ。2026年10月17日に確認。

曜日と営業時間
避けたいのは月曜だけです。 列車は祝日を含めて毎日走りますが、学期中の月曜は例外で、運営会社のカレンダーでは運休日になっています。チェアリフトは偶数週の月曜に別途点検で止まります。それ以外の日はどちらも動いています。
リベゲーの営業時間は日の長さに合わせて短くなります。
| 期間 | リベゲーの営業時間 |
|---|---|
| 10月17日〜25日 | 10:00〜17:00 |
| 10月26日〜31日 | 10:00〜16:00 |
| 11月、12月、1月 | 10:00〜15:30 |
| 2月 | 10:00〜16:00 |
| 3月 | 10:00〜17:00 |
| 4月 | 10:00〜18:00 |
| 5月〜8月 | 10:00〜19:00 |
| 9月1日〜10月4日 | 10:00〜18:00 |
年に2回、長めの点検で運休します。2026年は4月13日〜24日と10月5日〜16日でした。悪天候や故障のあとは営業時間が急に変わることがあり、BKVは出発前の確認を呼びかけています。
出典:BKV、ズグリゲト・チェアリフトの営業時間、2026年10月17日に確認。

ヤーノシュ山を越えてチェアリフトで下る
ブダペストの最高地点、標高527mに建つネオ・ロマネスク様式の塔、エルジェーベト展望台(Erzsébet-kilátó)は長期の改修で閉まっています。鉄道とチェアリフトは通常どおりで、鉄道の運営会社は散策する人に、路線の先にあるハールシュ山(Hárs-hegy)の展望台を案内しています。閉鎖の経緯や尾根のほかの見どころはノルマファのガイドにまとめています。
このルートのハイライトはチェアリフトです。上りのリベゲーは梢の間を静かに進むだけですが、下りでは街全体が目の前に開けます。このルートを鉄道で上ってリフトで下る順番にしているのはそのためです。平日の午前は空いています。晴れた週末の午後は、上の乗り場に列ができるものと考えておいてください。

| リベゲーの切符 | 片道 | 2回券(往復) |
|---|---|---|
| 大人 | 3,000フォリント(約1,500円) | 4,000フォリント(約2,000円) |
| 子ども、3〜14歳 | 1,000フォリント(約490円) | 1,500フォリント(約740円) |
| 学生、15〜25歳、有効な学生証が必要 | 1,500フォリント(約740円) | 2,500フォリント(約1,200円) |
| 3歳未満 | 無料 | 無料 |
2回券は向きに関係なく2回乗れるので、往復券を兼ねます。チェアリフトに往復券は別にありません。買った日に1回しか乗らなくても、2回目は1年間有効です。シニア割引はありません。
切符は両方の乗り場の券売機(すべてカード可、各乗り場1台は現金可)かBudapestGOアプリで買え、チェアリフトの切符は1年間有効です。3歳未満は無料、10歳未満は大人と一緒の場合のみ乗れ、犬は閉じたキャリーに入れて大人料金で乗れます。BKVの観光向けFacebookページBKV Tour & Giftでは、リベゲーのほか、ブダ城のケーブルカー、ドナウ川の船、BKVのグッズを紹介しています。
出典:BKV、ズグリゲト・チェアリフトの運賃と規則、BKV、チェアリフトの歴史、子ども鉄道、エルジェーベト展望台のページとリベゲーのページ、2026年10月17日に確認。2026年2月1日から有効の運賃表はBKVのリベゲー料金表で2026年10月19日に確認。
子ども連れ、ベビーカー連れの場合
- トイレの場所は事前に確認しておくと安心です。 ヤーノシュ山駅にはトイレも屋根付きの待合室もありません。ヴィラーグヴェルジ駅には暖房付きの待合室があり、駅のトイレの改修中は仮設トイレがあります。ヒューヴェシュヴェルジ駅も同様で、おむつ替えの部屋はいまは使えません。チェアリフトの上の乗り場にはトイレがあります。
- ベビーカーは無料で列車に乗せられます。 たたんで、自転車・ベビーカー用の表示がある車両に、空きがあれば載せられます。
- 段差のないルートにするなら、ヤーノシュ山駅ではなくヴィラーグヴェルジ駅で降りるのがおすすめです。ヴィラーグヴェルジ駅からチェアリフトの上の乗り場までの1.4kmはほぼ舗装されていて階段がなく、ノルマファでいちばん大きな遊び場も駅のすぐそばです。
- 小さな子どもとチェアリフト: いすは屋根のない2人乗りで、10歳未満は大人と一緒でなければ乗れません。怖がる幼児連れなら、帰りも列車で下るほうが落ち着いて過ごせます。
途中でレーテシュを
ノルマファで途中下車するなら、レーテシュの売店「Normafa Rétes Büfé」に寄ってみてください。この丘の名物のおやつで、ブダペストのシュトルーデルガイドでも紹介しています。チェアリフトの上の乗り場には軽食スタンドがあり、下る前にコーヒーや温かいものが飲めます。

冬と夏の違い
夏は長めに楽しめます。5月から8月はチェアリフトが19:00まで動き、森の空気はペストの舗道よりはっきり涼しく、散歩を延ばすこともできます。秋はいちばん写真映えする季節で、ブナ林が色づき、葉が落ちるにつれて眺めが開けます。冬は葉の落ちた木々のおかげで街がいちばんよく見え、12月初めにはサンタクロース列車が走り、雪が降ればノルマファでそり遊びもできます。ただしチェアリフトは15:30で終わるので、遅くとも昼前には出発し、鉄道で上ってリフトで下る順番で回ってください。
季節を問わず、丘は街より高く寒い場所です。5月でも羽織るものを1枚持って行くと安心です。
旅程への組み込み方
一周ルートの起点は地下鉄M2線のセール・カールマーン広場(Széll Kálmán tér)です。市内のどこからでも行き方は地下鉄ガイドで確認できます。子ども連れのほかのアイデアは家族で楽しめるブダペストのリストへ。夏に遅くまで回るなら、丘から街でも指折りの夕日スポットまではすぐです。
出典:ヴァーロシュマヨルへのトラム路線と291番バスの所要時間はノルマファ公園、登山鉄道での行き方とバスでの行き方、登山鉄道の距離・標高差・運賃は子ども鉄道の登山鉄道のページ、ヒューヴェシュヴェルジ駅のトラム接続は子ども鉄道の時刻表、駅の設備、ベビーカーの規則、徒歩の距離はgyermekvasut.hu。いずれも2026年10月17日に確認。
よくある質問
ブダペストの子ども鉄道の運賃はいくらですか?
大人の片道は距離に関係なく1,000フォリント(約490円)、大人の2回券は1,800フォリント(約880円)です。6〜18歳の子どもは片道500フォリント(約240円)、2回券900フォリント(約440円)で、6歳未満は無料です。ファミリー1日券は5,000フォリント(約2,500円)で、大人2人と子ども3人、または大人1人と子ども4人がその日は乗り放題です。車内での支払いはフォリントの現金のみで、ヒューヴェシュヴェルジ駅とセーチェニ山駅の窓口ではカードも使えます。
子ども鉄道は本当に子どもが運営しているのですか?
はい。小学生が大人の監督のもとで切符の販売と検札、ポイントの切り替え、発車合図、駅の業務を担当しています。4年生から6年生で応募し、毎週の講習を受けてから勤務につきます。鉄道は1948年からこの形で運営されていて、ハンガリー国鉄のMÁVが当初から運営会社です。
子ども鉄道は月曜も運行していますか?
学期中の月曜は運行しません。学年期間中、運営会社のカレンダーではその月曜が運休日になっていて、チェアリフトも偶数週の月曜に別途点検で止まります。それ以外は祝日を含めて毎日列車が走るので、一周ルートには火〜日曜のどの日を選んでも大丈夫です。
登山鉄道やチェアリフトにBKKの切符は使えますか?
登山鉄道には使えます。60番はBKKの通常運賃なので、500フォリント(約240円)の1回券かBKKの乗車券(定期・フリーパス)で乗れます。チェアリフトと子ども鉄道は別料金です。リベゲーは大人片道3,000フォリント(約1,500円)、往復にも使える2回券4,000フォリント(約2,000円)、3〜14歳の子どもは1,000フォリント(約490円)または1,500フォリント(約740円)、有効な学生証を持つ15〜25歳の学生は1,500フォリントまたは2,500フォリント(約1,200円)です。切符は両方の乗り場の券売機かBudapestGOアプリで買え、ブダペストカードがあればチェアリフトは往復とも無料です。子ども鉄道は自社の切符しか扱っていません。
エルジェーベト展望台は開いていますか?
開いていません。ヤーノシュ山の塔は長期の改修で閉まっていて、鉄道の運営会社はその間、ハールシュ山の展望台を案内しています。子ども鉄道とチェアリフトはいつもどおり運行し、森の小道も通れます。
ブダの丘の一周ルートの所要時間は?
半日見ておくと安心です。子ども鉄道は端から端まで40〜50分なので、セーチェニ山駅からヤーノシュ山駅まではそれよりかなり短く、チェアリフトは約15分、291番バスはズグリゲトから西駅まで28分です。これに森の散歩、ノルマファでのレーテシュ、列車の待ち時間を足してください。週末の列車はおよそ40〜50分おきです。
事前予約で窓口の列を避ける


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